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見出し1


たびたび処分してきたにもかかわらす、
ホコリかぶったり、日に焼けたりしながら
私についてきた金魚のふんみたいな本たちを、
ご紹介して行こうと思います。

藤純子その小世界

著者:森山正三
発行者:久本三多
発行所:葦書房有限会社 福岡県舞鶴1丁目4番7号
TEL:552-5909 振替:東京10821
印刷:正光印刷
製本:篠原製本
1971年5月31日発行
定価:480円


藤純子その小世界

タテ167m、ヨコ150mで、ダンボールの箱入りの小さな本です。
ご覧のようにダンボールに帯状に白い紙が巻いてあって、
カラー印刷で牡丹の花、そして、書名はマジックペンで、
著者によるものなのでしょうか、
ちょっと素人っぽくて、とてもいい味を出しています。
藤純子命という著者の心情がびしびし伝わってきます。
でもね、時代の空気でしょうかね。ほのぼの感はありません。
ちょっと、肩に力が入っているところは、
当時の時代のを反映と言っていいでしょう。

構成は、小文の「緋牡丹お竜さん」と「藤純子という女優さん」
そして、昭和45年5月21日、福岡での「藤純子さんインタヴュー」
素顔の藤純子さんと虚構のスクリーン上の藤純子さんとは
別人なんだと言い聞かせながら、
落ち着かない様子などを綴った「その日のその時藤純子さん」。
小文「おんなの顔」そして、昭和38年6月封切りの
マキノ雅弘監督の「八州遊侠伝・男の盃」から 昭和45年4月封切りの
山下耕作監督の「日本女侠伝・血斗乱れ花」までの「藤純子出演映画史」。 その間にスクリーンのかずかずの写真が収録されています。

藤2 藤3

この本の存在を知ったのはスポーツ新聞のパブリシティ記事でした。
藤純子さんのファンが自費出版。
その本に藤純子さんおサインをしものを東映の宣伝部に申し込むと
購入できるという記事を見て申し込んだものです。
当時、私も、この著者の入れ込みようには及びもつきませんが、
藤純子さんの「緋牡丹博徒シリーズ」にはまっていて、
この手の映画は浅草で見るのがロケーションとして最高なんて、
閑だけはたっぷりあった時代でしたから、
わざわざ、地下鉄に乗ってロックの浅草東映で出かけたものです。
当時の藤純子さんは輝いていました、
この世も女性とは思えないほどにです。
そこにいる生身の女優さんでなく、
虚構のスクリーン上の主人公に入れ揚げた風をよそおい、
友人たちにへ理屈をこねまわして
藤純子さんへの入れ込みをごまかしていたようです。
そういえば、同じように女性としての
歌手・西田佐知子の魅力に引かれながら、
彼女の歌う歌の内容と時代性をシンクロっさせ、
これまた虚勢をはっていた友人のことなどが思いだされます。



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