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虫干し書棚



NO.56
若いときから"白"が好きだった。
白い紙を前にして何かを描こうとすると
その白という空間を汚すことになるような気がして
躊躇しまうような感覚がいつもまとわりついた。
下世話にいうと、どうしても仕事などで
そこになんらかのコミュニケーションのための
記号を記さなければいけないとき、
できたら何もしないで白のままおきたい衝動にかられた。
その感覚は今でも引きずっている。
そんなわけで白いというテイストを持っている本を
今月は選んでみた。


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表紙1

表紙2

表紙3
No,1
No,2
No,3

表紙4

表紙5

表紙6
No,4
No,5
No,6


NO.1
木の匙
三谷龍二
2005年10月25日発行
新潮社
定価:1600円+税
装幀:有山達也+池田千草(アリヤマデザインストア)
小さな工房の、無駄なく気持ちいい暮らし、
簡素で美しい三谷さんのうつわのすべて。
文と写真で綴る、静謐で豊な日々のかたち。
「僕の匙のように小さな働きものが好きだ」三谷龍二


NO.2
かみさま
大平一枝著+小林キユウ写真
2006年6月20日発行
ポプラ社
定価:1500円+税
ブックデザイン:横須賀拓
紙は、けなげに生きている。
名刺、葉書、便箋、包装紙、切手、おみくじ‥etc.
人のそばに、ひっそりと居る紙きれの数々。
書いて、ちぎって、折りたたんで。
ペーパーアイテムの世界をご案内します。


NO.3
白の消息 骨壷から北園克衛まで
山口信博
2006年9月29日 第1刷発行
ラトルズ
定価:1900円+税
装幀・デザイン:山口信博
晒した「白」の美学は芭蕉の中にも、
北園の詩の中にもあった。
そしてそれこそが
私の無意識のうちに求めていたものかもしれない。


NO.4
おじいちゃんの封筒 紙の仕事
藤井咲子
2007年1月7日 第1刷発行
ラトルズ
定価:1600円+税
装幀・デザイン:山口信博+大野あかり
身近にあって不用なもので作った"紙の仕事"、
こんな変哲もないものがこちらの心に
強く響いてくるのはどうしてなんだろう。坂田和實


NO.5
ふすま 文化のランドスケープ
向井一太郎+向井周太郎
2007年4月25日 初版発行
中央公論新社
定価:895円+税
カバーデザイン:山口信博+大野あかり
白く、張りがあり、美しい。原研哉
表具師を父に持つデザインの先覚者が、
日本人の自然観・世界観を読みとく。


NO.6

原研哉
2008年5月30日発行
中央公論新社
定価:1900円+税
装丁:原研哉
生命さえもが由来する、白の現象学をめぐる瞠目の論考。
時代を転回させる「白の創世記」が、ここに始まる。
茂木健一郎
湧き立つものと美的な配慮が拮抗しているときに
抑制の効いた文章は生まれる。
本書はその例外的な達成である。
内田樹


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