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_ IBMのスーパーコンピュータ「Watson」、クイズ対決で人間に勝利(ITmedia)
_ なかなかおもしろい。
_ プロセッサの性能やストレージの容量はどんどん増加していくから、力業で人間の能力を超えていくことは十分あり得るというわけですが…。
_ イチバン面白いと思ったのはそういう面ではなくて、IBMがスパコンの利用方法としてひとつの明確な回答を提案したということ。
_ 有り余る計算力を何に使うかという問題は、ニッポンのお偉いさん達には想像することすらできなくて、某女性大臣を説得できなかったわけですが。IBMという一企業がこれほど明確に、そして将来的展開が期待できる答えを提示してくれたことに、あっぱれと言うしかありません。
_ 今回のシステムは、2,880プロセッサに15TBストレージと、スパコンとしてはそこそこレベルの規模です。が、この分野であれば別に性能が世界一位である必要なんてないわけです。
_ もちろん性能も必要ですが、むしろ、データを自動的に学習する仕組み、自然言語処理、連想検索というようなソフトウェア技術がこのシステムにおいて非常におおきなウェイトを占めています。
_ 日本の技術の方向性は、高信頼高性能省電力で、すっごく難しいことを力業でなんとかするスパコン。一方でIBMはいろいろ応用の利くソフトウェアシステムをたくさん組み合わせて、ちょっといいスパコンで動かしてみたらすごいものになっちゃうという方向。似てるようで全然ちがうアプローチです。
_ ここで、将棋で女流名人を倒した「あから」を思い出す人もいるでしょうが…。題材としてはチェスよりも計算力を必要とするから、スパコン向きだね。という程度。所詮は研究目的の研究題材。実用レベルは?と聞かれると、やっぱり基礎研究的なものだという印象しかありません。
_ 今回Jeopardy!で人間に勝ったということは、専門知識を必要とする人間の仕事を肩代わりできるという証明をしたことと同然。そして、その知識データベースを差し替えさえすれば、どんな専門分野にも応用が利くという、すぐにでも商用レベルに使えるような実用的な成果なんですよね。これは本当にすごいとしか言いようがありません。
_ しかも、上手いことに、世界的にも有名なJeopardy!を利用したことで、世界に向けて大々的に宣伝を打って!!
_ やはり巨人IBM。コンピュータ分野でこの会社に勝つには一筋縄ではいかないと実感しました。
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