2001.4.22
J-POPSの発音はおかしいか?

最近、J-POPSを聴いていて思ったこと。
英語の歌詞かとばかり思って聴いていたらなんだか変である。あれっ?これ日本語だったんだ!
すると、今歌っている歌手は帰国子女か?最近のJ-POPSの歌手って帰国子女が多いんだ!
いや、どうもそうではないようだ。
どこかで、「日本人のくせに、なんで外人が日本語を喋ったように発音するの?日本語の美しさは何処へ行ったんだ!!」 と憤慨する声が聞こえてきそうである。
遡れば、矢沢永吉やサザンの桑田君あたりがルーツか?
よく聴いてみると、母音が変だ。「きいえみいえうお〜〜、あえいしてぃえ〜るうえ〜〜」というように単純な「あ」ではなく「あ」と「え」の中間のような。
確かに、これは正しい母音ではないし、「あいうえお」の5つ以外のあたらしい母音表記が必要になってしまう。
でも、ちょっと待ってよ。この「う〜え」や、「う〜お」のような母音は、歌詞の意味を離れて聴いていると私には気持ち良く感じるのである。それに言葉を伸ばす部分ではグラデーションが付いた様に変化する様が特に気持ちいい。
発音の誤りを指摘したり、文化の堕落?を嘆くのは簡単である。しかし、なぜこういう発音が求められるのか?
こうした中間母音やグラデーションのように変化する音は脳にとっては気持ちいい(脳内麻薬?の分泌が盛んに行われている?)響きなのではないだろうか?
気持ちいいことに耽ることはいつの時代にも分別ある人の顔を曇らせるが。
それとも単なる洋楽かぶれなだけだろうか?
くるまを運転した経験をお持ちだろうか?くるまの運転の気持ち良さは加速、減速にある。
スピードを一定で走ることは退屈であり、保つことは難しい。アクセルを踏んだ時に得られる「胸のすくような」加速は脳にとっての快感なのである。そうしたくるまの魔力に人はいとも簡単に屈してしまう。
ジェットコースターやバンジージャンプに人間は速度の変化すなわち加速度の快感を求めているのである。母音の変化も同様なのではないだろうか?

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