2006.3.10
血圧を下げる音楽

 今日は年に一回の人間ドックに行った。
今年も受け付けでポールポジションをゲットしてさあスタートである。 最初が検尿で、次に血圧測定である。 ひと昔前なら、看護婦さんが腕に手際よく測定機具を巻いてくれて、手押しポンプで空気を入れて締め付けてくれたものだが、綺麗な看護婦さんだと自然と胸がドキドキしてきて、血圧が高めに出ないか心配したものであった。 看護婦さんが血圧に影響を及ぼすことを懸念してからではないだろうが、最近は自分で腕を突っ込んでからボタンを押すと、締め付けから解放まで自動的にやってくれて、最後に領収書のような測定結果が出てくる装置が当たり前になってしまった。 看護婦さんとのスキンシップが無くなってしまって少し寂しい。
さて、今日も血圧自動測定器に腕を突っ込むと、流れ出した音楽を聞いて笑ってしまった。 サティのジムノペディである。いやはやここまで来たか。

 かなり昔から音楽療法というのがあるそうだが、音楽が身体に良い影響があると言うのは自分も納得している。 相方が娘を出産する時には分娩室にCDラジカセが用意されていたので、私の奥多摩物語のCDを聴いてもらった。 それが効を奏したのか?超安産だった。
モーツアルトが○○に効くとか、バッハは××に効くとか、新聞の健康雑誌の広告を賑わせるようになってからひと昔ぐらい経っているだろうか。 つい最近も新聞で、カテーテルを行うときに患者に好きな音楽を聴いてもらうと挿入時の血圧が下がって安全だという記事を目にした。

 さて、人間ドックも最終コーナー、最大の難関のバリウムを飲む時が来た。 何度やっても気持ちの良いものではない。 バリウムを必要とする胃のレントゲン撮影に代わって、音楽を聴いて胃の状態を調べる画期的な診断法は出来ないだろうか?
20××年、「音楽で胃のレントゲン撮影を追放。」「作曲者の○×△之助にノーベル医学賞を授与。」
それまで生きていられるだろうか?

関連エッセイ:
「タンパク質の音楽」を読んで

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