2009.12.15
カラオケで40年ぶり

 11月14日に小学校+中学校の同窓会があり、2次会にカラオケに行った。
私はカラオケで進んで歌うほうではない。それは歌いたい曲がいつもほとんど見つからないからなのだが・・・・ その日は中学2年生のときに歌詞を丸暗記して同級生のT君とよく歌っていた "あの曲" があるかどうか、カラオケセットのリモコンで検索してみた。
その曲はちょうど40年前の1969年に大ヒットした "ゼーガー&エバンス" の " 西暦2525年" である。実は数ヶ月前からiTunesからダウンロードしたいと思って探していたのだが、カバー曲は見つかるのだが、オリジナルは配信されていないのだった。そんなこともあってダメモトでキーを叩いていたら見つかったのである。いや本当に最近のカラオケは曲が増えているのに驚いた。歌詞もすっかり忘れていたし、ハモッてくれる相方もいないので歌うつもりはなかったのだが、その様子を隣で見ていた同級生のB君がポチッとエンターボタンを押してしまった。当時私が歌っていたのを知っていた他の同級生からも歌え!コールを頂いてしまったので、引くに引けなくなってしまった。キーが低すぎたので何回か上げてもらい(これもデジタルのおかげで便利になったものだ)歌い始めたのだが、こんなに歌詞が多くて早口だったっけ? 結果はボロボロ。それでもクラスメートは皆、40年前の暑い中2の夏休みに戻れたようで良かった。

 ところでこの曲、当時T君が書き写してくれたレコードの歌詞を辞書を引き引き訳してみたことがあったのだが、中学生には難解で歯がたたなかった。今回あらためてこの曲についてネットで調べてみた。 歌っている内容は人類の進化の果ては退化であったというもので、これはポップス向きの歌詞ではない。当時は反体制のシンボルとしてのロックが市民権を得ていた時代だが、それとも違う。2001年宇宙の旅のようなSF的な内容なのだが、かなり衝撃的なものだ。
ゼーガー&エバンスはネブラスカ州のローカルバンド出身で、この曲は元々自主制作版だったが、地元のラジオ局でヒットしたのがRCAの目に止まり、そこが買い上げて全米リリースしたところ、ビルボードチャートのNo.1まで行ってしまったとのこと。
69年と言えばアポロ11号の月面着陸の時代だが、めざましい科学の発達に冷や水を浴びせかけるように人類の未来に向けて警鐘を鳴らした内容はジャストタイミングと言えたかもしれない。これはまぎれもないフォークソングだったのだとあらためて知った次第である。しかしながら、あまりにも強烈な内容だったためか、彼らも次の曲の行き場を無くしてしまい "世紀の一発屋" で終わってしまった。
あれから40年後の2009年、カラオケでこの曲が歌われるとはゼーガー&エバンスも予測していなかっただろう。 2525年にはまだ515年あるが、人類はまだカラオケで歌っているだろうか? 

"In the Year 2525 (Zager And Evans)"1969

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