レ・ミゼラブル(6月6日ソワレ)

 3時間半のフランスツアー第2回です。今回は前回のような中学生の団体や今話題の(笑)男子高校生の団体も無く、割と落ち着いた環境の中で見る事ができました。何故か開演が10分も遅れて「何かあったの?」と心配していたのですが、突然始まりました。終演後に「開演が遅れた事をお詫びいたします。」なんていうアナウンスがあったのですが、ちょっと心配な幕開けでした。とりあえず例のごとく簡易版キャストです。
 鹿賀、村井、島田、岩崎、純名、石川、今、斎藤、森。
 今回のテーマ(笑)は今アンジョです。ちなみに前回のテーマは戸井マリウスでした(笑)。岡アンジョの印象が強烈なだけに役作りが難しい所なのですが、今さん、無難にこなしておられました。ただやっぱり「無難に」という言葉は決して誉め言葉にはならないんですよね。アンジョには一種の「カリスマ的」な存在感が欲しいと思うのですが、やっぱり岡アンジョには負けてしまいます。今アンジョは非常にマジメな役づくりをしてますね。そういう意味では今アンジョと戸井マリウスの絡みっていうのを一度見てみたいですね。真面目で誠実なマリウスとアンジョの組み合わせ。物語としてはこちらのほうが本筋かもしれません。

 この日目についたのは石川マリウス。禅ちゃん、さすがですね。理性ではわかっていても止められない感情を露わにするマリウス。コゼットとの絡みもさる事ながら、「カフェ・ソング」は久々に聞き惚れてしまいました。最初の淡々とした出だしから徐々に感情が高ぶっていく姿は涙ものです。端正な石井マリウス、誠実な戸井マリウス、虹の彼方へ飛んでいく石川マリウス。3人3様のマリウスですが、僕個人的には石川マリウスが一番好きです。もしテレビドラマだったらめちゃくちゃオーバーアクションな演技なんでしょうが、舞台だと映えますね。

 もう一人印象的だったのが斎藤テナルディエ。斎藤さんはもう何回も見ているのですが、この日は歴代1,2を争う出来でした。なんか踊りにしても体から湧き出てくるという感じでテナルディエそのもの!森さんとの息もぴったりで快調に飛ばしておられました。そういえば「おかま」って「はやり」なんですねえ。って言っても誰もわからないか(笑)。結婚式の時のテナルディエの歌詞なんですが、今回の公演はこの歌詞で通すのかな。

 鹿賀バルジャンは、声量も豊かで迫力もあり、ますます円熟味を増していますね。個人的には滝田さんの暖かいバルジャンが好きだったのですが、この日の鹿賀さんだったら鹿賀さんを選んでしまうかもしれません。あ、一応断っておきますが、まだ山口バルジャンは見ていないので、まだ比較の対象になってませんので・・(笑)。あといつもながらの島田さん。僕レ・ミゼラブルもう50回以上見ているのですが、どのキャストの方も一度位は「今日は調子悪そうだな。」とか「声が出てないな。」とか思う事があったのですが、島田さんだけはそういう事が一度もありません。歌や演技の素晴らしさは当然ですが、いつ見てもその素晴らしさが保たれているという所は島田さんの凄い所だと思います。「島田エポニーヌ」にがっかりなんていう話もまるで聞きませんしね。。

 「レ・ミゼラブル」、素晴らしいシーンの連続なんですが、僕のお気に入りにシーンの一つがバルジャンがマリウスに告白する所です。だいたいあの辺りから涙腺がゆるんできてしまって困るのですが、この日の公演は本当にやばかったです(笑)。自分に何か起こったのかなあと思い起こしてみたのですが、あまり思い浮かびません。この日の舞台が多分自分にぴったり合ってしまったのでしょう。何度見ても素晴らしい舞台なのですが、この日は特に僕の心を揺さぶったようです。なんか終演後もふわふわした気分で帰路につきました。

 ところでこの日の座席はM列46番という一番上手側だったのですが、この席、結構良いですね。本当に一番端のブロックなんですが、ブロックの中では一番通路よりの席という事で見晴らしは最高です。まあ若干下手側が遠いというのはありますが、本当に見やすい席でした。で最後の「花束」までゲットしてしまいました。M列という事で「届くわけないよなあ。」なんて思っていたのですが、最後の方に男性アンサンブルの方が力いっぱい(?)投げてくれた花束が隣に座っていた嫁さんの膝の上に落ちてくれました。今まで見た中では花束の最長到達距離のような気がするのですが・・(笑)。

 さあ次回はほのか様を鼻血席でじっくり見るぞぉぉぉ。

(99/6/7)
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