日々是平穏
2001/12 前半

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12月15日 土曜日 授業 1:東洋医学概論 2:保健医療社会学

 明日は日曜。予定していた龍さんの 実験 施療が、氏のご都合で中止になったので、その分日曜日はゆっくり原稿と休養に当てることになった……のだが、今日の授業を受けて帰ってこないことには日曜日はやってこないので、眠い目を擦りながら何はさておき学校へ。両コマとも原稿のネタになりそうな内容で、いつも以上に真剣に受ける……つまり、常に原稿を書いていれば、授業に対するモチベーションも上がるということなのだろうか>勘弁して下さい

 授業が終わってさっさと家に帰ると、甥っ子1号を預かってきた両親が爺婆バカを振りまいている。姉貴に至ってはクリスマスプレゼント(アンパンマンのおもちゃ)を用意している。4人が戯れる様をビデオで撮る役目を仰せつかったり、ボールに興味が移った甥っ子の相手をしたり。夕方、彼を寝かしつける為に姉貴とお母んが車で出ていき、遊び相手が居なくなったので、部屋に戻ってぐっすり睡眠。晩飯で叩き起こされ、腹拵えと風呂を済ませてから原稿に当たる。息抜きに、参考図版に使えそうなデータを探したりする内に朝。


12月14日 金曜日 授業 1:医療概論 2:鍼灸理論

 相変わらずの眠気の中、授業を受ける。今日は興味を持って聴けていたのだが、それでも2コマ目になると眠気がじっとりとまとわりついてくる。「ここまで頑張って折角寝ないでいられたのだから、最後まで……」と、必死に眠気と戦い続けて、何とか授業終了の時間まで漕ぎ着けることが出来た。「これでやっと眠れるよぅ……」と安堵の溜息を吐いていると、ムトー先生は徐に「今年は今日が最後なので、きりのいい所までやりますので」と宣って、授業を続けられた。まるで拷問のように続く眠気との戦い。結局、授業が終わったのは正規の時間より30分も後のことだった。まぁ、同じ授業料を払っているのだから、感謝すべき所なのだろうが……。反動からか、電車の中で爆睡したのは勿論、家に帰るまでの車の中でもやや意識が危うかった。無事に帰れて本当に良かった>しれっと語る事じゃありません


12月13日 木曜日 授業 1:経絡経穴概論 2:灸実技

 今朝も朝から寒い。風は吹いていないが、昼から雨を降らすらしい鉛色の雲が重く垂れ込めていて、湿気を含んだまとわりつくような冷たさが肌を刺す。 だが、昨日通販で到着したユニクロ(またか)のジャケットが暖かいので、顏以外は快適である。しかも、このジャケットは非常に沢山のポケットが付いていて、ポケット大好き人間の橘はここぞとばかり色々突っ込んで学校に行く。

 教務の先生に許可を頂き、授業の合間を縫って、授業の様子や実習風景を写真に収める。これで多少は原稿の水増(以下略)。今年最後の灸実技も、例によって時間ぎりぎりまで続いたので、これまた例によってカンティプールで昼食。たまたま4人席で相席になったのだが、隣に入って来た兄ちゃん達の食べ方がなってない(よりによって千切ったナンをカレーの中で泳がせて喰っている)のに心の中でつっこみながら、マトンカレーでナンを6枚を食してから帰宅。お腹が一杯なのを良いことに、晩飯も食わずにごっちりと睡眠を摂って、原稿。

<余談>
 日記の更新をすべく橘屋のトップを開いて、初めて明日で開設より3年になることに気付きました>1年以上も休んでいて3周年もあったモンじゃないです
 のんびり続けて参りますので、お暇な方は今後も宜しくお付き合い下さいませ。


12月12日 水曜日 授業 1:生理学 2:あん摩マッサージ指圧理論 3:指圧実技

 昨日に引き続き朝までうとうとしながらパソコンに向かっていた。これがリズムになりつつあるようである……本来、望ましいことではないが、最低限の責任はきっちりと果たしたいと思う。この状態で、ナカヤマ先生の魔力に残り15分まで耐えただけでも随分前進したものである。帰ってからは出来るだけ睡眠を摂って、いつもの時間に起き出して原稿に向かう。今日は目覚ましすら必要としなかった。

 この所の日記が短いのは原稿強化週間の為です。後2週間無い……(涙)


12月11日 火曜日 授業 1:鍼実技 2:解剖学

 パソコンの前でうんうん呻って文章を考えている内に、4時を過ぎていた。取り敢えず横になるが、気が昂ぶっているのか、殆ど眠ることが出来なかった。寝惚け眼でカレーを温めて朝飯を喰らい、学校へ。体を動かす鍼実技はともかく、座学の解剖学は到底耐えられそうになかったので、ブリーズライトを装着する。抵抗空しく完全に沈没。授業後に聞けば、ブリーズライト装用も効果なく、大分うるさかったらしい。休養が不十分な所為で、持病の鼻炎がじわじわと頭をもたげて、鼻通りが悪くなっているようだ。自分が眠っていて授業を聞いてないだけならまだ良いのだが……これ以上、周りに迷惑を掛ける訳にも行かないが、かといって原稿を書かない訳にも行かない。せめて、下降気味な体調を少しでも持ち直させる為、1220渋谷発に乗って籠原まで戻り、行きつけのトンカツ屋で十分に栄養補給。ビタミンの錠剤を呑み、出来るだけ長く寝ることにした。

 目が覚めて19時。鼻の通りも大分回復してきた。烏龍茶用の急須にティーバックを放り込み、紅茶をがぶ飲みして起動。飯を喰らったり、姉貴の按摩をしたりして体を休める。「風呂に入る前に表の門閉めてきてぇや」と言われて表に出てみれば、ごうごうと冷たい冬の嵐が吹いている。新潟や群馬県北では今頃雪が降っているのだろうなぁ……と感慨に浸っていると凍死しそうなので、さっさと門を閉めて風呂に浸かる。熱いシャワーで十分に暖まったり、灸を据えたり、紅茶で大量に水分補給たりして風邪対策に万全を期しつつ、パソコンに向かった。

 風は24時を回ってからも轟々と吹き続けている。恐らくは15m/sec位は出ているだろうこの風が吹いて、初めて冬を感じる。……明日の朝、表がどうなっているかが楽しみである。隣の家が倒壊していたり、車がひっくり返っていたり>しません


12月10日 月曜日 授業 1:法学 2:臨床医学総論 3:あん摩実技

 朝は昨日に増して一段と冷え込んでいる。また憂鬱な一週間の始まり……なのだが、今月の実質授業は19日まで、20日が終業式である。日曜日を引いた残り9日の授業を受け終われば、嬉しい楽しい冬休みに突入……と思えば、多少は元気も湧いてくる。ネガティブだなぁとは思うものの、残り日数をカウントすることでやる気を喚起することにする。
 学校に着いて黒板を消している内に先生がいらっしゃって、今週の授業開始。文系的な法学の授業はぴっちり起きて、しっかりノートも取れていたが、2コマ目の臨床医学総論が始まった途端、急に意識が薄れてくる。寝てしまった、もしくは寝ないように努力した末に寝てしまった記憶はなかったのだが、隣の席のオザワさんに聞くと、ぐっっっっっっっっすりと寝ていたとの事。あまつさえ鼾を掻いていて、先生が苦笑されていたそうな。意識を保つ努力をしようとする間もなく落ちていたらしい。とどめに、オザワさんに「ブリーズライト点けてた方が良いんじゃないですか?」と言われて凹む。

 解説中心で、最低限の実技練習しかなかったあん摩実技は無難にこなして終了。帰途、学校そばのアニメイトで冬の祭典のカタログを購入。……ホントに載ってる>当たり前です このカタログに載っているのを見ると、合格通知の封筒を見た時以上に「ああ、もう後戻り出来ない所まで来ているんだなぁ」と、独特の高揚感と焦燥感に駆られる。たたかう国家公務員である所の藤原からは、23/24日の連休位でしか製本を手伝うことが出来ない旨の通達が来ているので、23日までには一応の形にしておく必要がある。本番まで後3週間足らず、(取り敢えずの)締め切りまでは後2週間。……因みに、前回のサークル参加時、製本まで終わったのが当日の3時。あろうことか最後は殆ど寝落ち状態で、藤原がせっせと製本をしている、という状態であったことを付け加えておく>あかんやん

 湘南新宿ラインで熟睡し、目が覚めた時には既に籠原、17時。完全に日は落ちている。山に雪を降らせてきたであろう北風が、ぴゅーぴゅーと吹き付けて寒い。「こんな暗くて寒い所でぐずぐずしてないで、さっさと帰って暖まって、テレビ見たり原稿書いたりごろごろしたりして、有意義に(?)晩飯まで過ごそう」と色々と思いを巡らせつつ車のキーを撚る。

カムリ:かしゅん」
橘屋:へ?」

 バッテリーが上がってやがる。

原因はライトの消し忘れ。「そんな馬鹿なぁッ!俺は今朝確かにライト消してから降りたんだぞぅッ!」と思ってスイッチを確認してみると、消されていたのはフォグランプだけであった。橘 柾樹一生の不覚>何度目だか数えることも出来ないだろう
 泣きながら家に電話をしても誰も出ない。仕方がないのでお母んの携帯に救援を求め、真っ暗で寒い車の中で待つ。「真夏、クーラーが利かない炎天下で待つよりは数段マシなんだそうだそうに違いない」と自分を慰めること30分、漸くお母んがバッテリーコードを携えてやってきた。お母んカムリのバッテリーと直結して再起を図ることにするが、バックでの駐車が禁じられている駐車場、両隣は駐車中の為、まずは車を動かさないことにはコードが届かない。エンジンが掛かろう筈もないので、ギアをニュートラルに戻し、適切な位置まで人力で車を動かす。下が砂利だから幾ら気張って押してもなかなか動いてくれないわ、風は吹いていて寒いわ、ボディーは冷たいわ、ハンドル回さなきゃならないのでお母んが乗ってるわ。心の中で号泣しながら何とか移動完了。バッテリーを直結されたmyカムリは、今までの苦労が嘘のようにすかっと起動した。エンジンを止めないように(ATだからそもそもそんな心配もないが)帰宅。10km近くを走って帰ったからそれなりに充電は出来ていたのだろうが、念の為に充電器(近所の共同農機具置き場から借りてきた)で充電。全てが終わったのは19時半のことであった。ただひたすらに寒かった。


12月9日 日曜日

 ……目がきっちりと覚めた時には、既に時計は17時を指していた。見事に8時間睡眠である。睡眠時間の確保も休日の重要課題ではあるが、それ以上に今は原稿を書かねばならない。いつまでもぼーっとしている訳にも行かず、寝起きの体を温めてシャキッとする為に──血流を増大する働きがあるので、早朝にするのがもっとも好ましいとされている──灸を足に据えて、PCに向かう。多少なりとも進んでくれたのは有り難かったのだが、原稿で消耗していて、またしても009を取り逃がす。メインのビデオはタイマー録画モードになっていなかったし、バックアップ用にもう1台のビデオに仕込んで置いたテープも残量が足りなくて途中でアウトであった。途端にやる気が失せて、以降殆ど進まず、結局休養モードの日曜日となった。

 ……藤原に指定された締め切りまで後2週間しかない。さぁ、どうしたものか>考えてる暇があったら書きなさい


12月8日 土曜日 授業 1:東洋医学概論 2:保健医療社会学

 昨日に引き続いての好天で放射冷却が進み、冬らしく冷え込んでいた。布団に潜っていたい衝動に辛勝して起きるが、なかなか血圧が上がらず、意識がはっきりしない。いつも通りカレーで朝飯にすべく、レトルトを暖める鍋を火に掛けるが、何か妙に焦げ臭い。ぼーっとした意識の中で鍋を見れば、 見事な空焚きであった。慌てて鍋を水に浸して事なきを得た……寝惚けたままでレトルトまで放り込まなくて本当に良かった。気を取り直し、今度は無事にカレーを温めて朝飯。
 表は、緩やかながらも冷たい北風が吹いている。暖まっていない車は、ハンドルもアクセルもクラッチも重く、そろそろ手袋がないと車を運転したくなくなる季節である。冷たすぎて掌に馴染まないハンドルは滑る。危うく歩道の縁石と仲良しになってしまう所であった。

 今週も土曜日は文系授業。最後まで居眠りをせず、きっちり授業を受けることが出来た。二日連続で居眠り無し、快挙を通り越して奇跡に近い>だから威張るな やはり文系授業は関心がある分、集中力も湧くという事なのだろう。……という事は、関心の薄い授業でも眠くならないような生活をするか、全ての授業に対して関心を高めるか出来れば、居眠りをしないでいられるようになる、ということなのだろうか。いずれにせよ無理な相談ではあるが。

 帰宅後、スウェットに着替えて、だらだらと原稿のブレーンストーミングを続けていると、姉貴が「鐘庵に晩ご飯食べに行くから支度しろ」と宣う。やはり、土曜日は晩飯を作るのも面倒であるようだ。4人で満足するまで食っても2500円程、ほくほくしながら帰る。
 腹拵えが済んだので、深夜に予定されているTRPGに備えてぐっすりと睡眠を摂り、23時前に起き出す。こういう時だけきっかり目が覚めるのは、自分でも見事だと思う。これが毎朝出来ればいいのだが>他人事のように語る所じゃありません 初心者が居たこともあって、準備もプレイも色々と手間取り、一通り終わったのは朝の9時であった。崩れるように眠る。


12月7日 金曜日 授業 1:医療概論 2:鍼灸理論

 昨日の休息が効いたか、心地よく目覚める。例によってカレーで朝飯を掻き込んでから外に出ると、冷たい北風が強く吹いていた。群馬の山々には雪が降っているのだろう、鉛色の雲の下には綿をほぐし散らした様な白い靄がかかっているし、秩父の山々は冴えた空気の中で、その輪郭を鮮明に写しだしている。いよいよ、冬である。毎朝変わり映えのしない道を少しでも退屈せずに走るには、こういう季節の移り変わりを楽しみながら運転することだと思う。ただ、この辺の冬の風は「楽しむ」と優雅に決められる程穏やかではなく、横から当たるとカムリ(2000cc級)ですら横滑りしてみたり、吹き溜まっていた銀杏の葉が一気に舞い上がって視界が遮られたりと、なかなか剣呑である。立て続けに喰らって冷や冷やしながら籠原駅へ。
 ……と、調子に乗って駅に着いたは良いが、ここまで来て携帯を家に忘れてきたことに気付く。無くても別段問題はないと言えば無いのだが、「もしも何か急な連絡を要することがあったらどうしよう」と思い始めてしまうと、存外不安になるものである。「電話を持ち歩かなかった頃はここまで神経質ではなかったのになぁ」と思いつつ、人間は便利さに慣れ易い生き物なのだなぁ、と改めて感じる。……これから先、私達が享受している「便利なもの」を手放して行かざるを得なくなる時が来たとして、我々はそれを受け入れることが出来るのだろうか……と物思いに耽りつつ、高崎線車内で眠りに落ちていった。
 今日も池袋は混んでいた。山手線は車内、ホームはおろか、ホームに上がっていく階段の下にも人の波が出来ていた。一昨日の混みようなどかわいらしく感じる程である。聞けば、今日は大崎駅のポイント故障の影響で、埼京線も湘南新宿ラインも、新宿や池袋で折り返し運転しているらしい。一昨日よりも更に前衛彫刻度を増しつつ渋谷まで。

 へとへとになって学校に着くも、授業は非常に無難にこなして終了。今日は眠くすらならず、最初から最後まで丁寧にノートも取ってある。これは最早快挙ですらある>威張るなよ 日頃の休息や節制が如何に大切なものであるかを痛感する。授業が案外長引いて、1220渋谷着・湘南新宿ラインには間に合わなかったので、カンティプールのマトンカレーでナンを6枚平らげてから帰途に就く。と、埼京線のホームに上がっていくと、朝のポイント故障がまだ回復していないので、湘南新宿ラインは運休であると言う。……朝の状態が続いているとすれば、国府津行きの高崎線は池袋で折り返しているはずだ。スピーカー片手に案内をしている女性駅員に聞いてみる。

橘屋:率直に伺います。池袋と上野、どっちに行ったらいいでしょう?」
女性駅員:池袋へどうぞ。高崎線はこちらを通れないだけで、池袋から折り返していますから」
橘屋:……ホントに池袋で折り返して走ってます?」
女性駅員:大丈夫です。多分

その言葉を信用して山手線外回りに乗るが、池袋に着くなり「1336高崎線は運転を取りやめております」というアナウンスが。騙された。辛うじて動いていた埼京線で赤羽まで出てみたら出てみたで、籠原行きが無く、泣く泣く新前橋行きに乗って帰る。熟睡する訳にも行かず、うとうとするに止まる……渋谷駅の女性駅員さんよ、私の大切な睡眠時間を返してくれ。

 籠原着後は弟の所で散髪をしてから、一度帰宅。忘れていた携帯と、お届けする約束をしているデータの詰まったRWを持って先生の所へ参上、ぱっつんぱっつんに張った背中をほぐして貰う。効果覿面、昨日の張り様が嘘のように軽い。これで、後一日だけ残った今週の学校も、そして冬の原稿もすらすらと進むに違いない。進んでくれるだろう、進んで欲しい、頼むから進んでくれ、進んでくれると嬉しいなぁ>だから考え直せ


12月6日 木曜日 授業 1:経絡経穴概論 2:灸実技 (全休)

 目がすっきりと覚め……ない。気持ち悪くてふらふらする。背中もぱりっぱりに張っている。取り敢えず起きてカレーで朝飯を食らったものの、どうしても起きて居続けられない。「そういや、昨日一寸布団はだけて寝てたかなぁ……」と思いつつ布団に舞い戻り、今日はお休みすることに。まだ暖かい布団は心地よく、目を閉じるなり意識が薄れていく。目が覚めたのは19時であった。実技のある日に休んでしまったのは正直痛いのだが、これから冬の原稿の追い込み(「殆ど書けてなくて追い込みとは何事だ」というツッコミは不許可の方向でも待っている事を考えると、不本意ながらも貴重な休養を取ることが出来た……としておこう。

 居間に降りていってみると、どうもお母んの表情が硬い。

橘屋:どうしたん?そんな顔して睨み付けて」
橘母:……食器洗ってくれるって約束してなかったっけ?(怖笑)」

そう言えば、昼飯を食いに起きたような気もするし、お母んに「流しにある食器を洗っておいて」って頼まれた気もするし、「おう任せとけさささのさーっと綺麗にしてやる」とか豪語したような気もする。昼飯の時に使ったような気のする丼が流しに置いてあるということは、恐らく夢ではなかったのであろう。泣きながら山のように積まれている食器を洗う。父親が高野山なんぞに遊びに行っているので、風呂当番までお鉢が回ってくる。
 風呂を立て終わる頃、その父親から22時過ぎに熊谷に着くと連絡が入る。この時間帯、既に我が田舎町に帰ってくるバスはもう走っていないので、お母んと二人で迎えに出た……までは良かったのだが、折からの霧がどんどんと濃くなってきて、おっかなびっくりで往復するハメになる。


12月5日 水曜日 授業 1:生理学 2:あん摩マッサージ指圧理論 3:マッサージ実技

 今週の生理学はシライシ先生(11/21日記参照。タケダ先生と一週毎に交代して、別分野の生理学を教えて下さいます)。少し早く寝て、早く出よう……と思っていたのだが、メモリ周りの不調をチェックしている内に突然マシンが立ち上がらなくなる。冬の原稿も殆ど書けていないのに、マシンが逝ってしまったりしてしまったらそれこそ命取りである。半泣きでメモリを差し替えては電源を入れ、試行錯誤するが、機動音の代わりに鳴るのは、正常に立ち上がらなかった事を示すビープ音ばかり。静電気避けの為にこの寒い中Tシャツにパンツ一丁だったが、首筋と胸元には脂汗が浮かんでくる。試行錯誤の末、メモリはおろか、他のボード類も一度深く挿し直したら取り敢えず回復したのは何よりの幸いであったが、気が付けば5時前になっていた。時間の感覚を忘れる程に焦っていたらしい。結局ベッドに入って30分程うとうとするくらいしか出来なかった。

 明太子とカレーで早い朝飯を済ませ、一本早い池袋行に乗る。正直、この電車には乗りたくない。黒板は綺麗にしたいのは山々なのだが、この時間ではまだ通勤通学ラッシュのピークが過ぎていないのである。案の定今日も、人波に挟まれた鞄が手を離しても床に落ちない程の混み様であった。そうでなくとも、突然のトラブルで睡眠不足の上、こんな日に限ってクラスメイトに頼まれた大荷物も持っていて、荷物も疲労度も倍。昨日に引き続き、前衛彫刻のようなポージングで渋谷まで運搬されて、へろへろになって学校にたどり着く。追い打ちを掛けるように、丁寧に黒板を消していたら予想以上に時間がかかり、終わるや否やシライシ先生がいらして休憩も取れない。そんな状態で90分の講義を集中して聞いた私に、最早余力は残っていなかった。2コマ目はナカヤマ先生の魔力に抵抗する術もなく沈没。「別に疲れていなくても寝るだろうに」というツッコミは不許可の方向で。

 へろへろになりながら籠原まで戻ってくると、既に真っ暗であった。高野山に修行に行ってしまった親父殿の代わりに風呂を立てたり、仕事帰りに寄った弟とジャンプの漫画などについて論陣を張ったり。


12月4日 火曜日 授業 1:鍼実技 2:解剖学

 いつも通りに眠い目を擦りながら学校へ。今日の鍼実技は雀啄法(じゃくたくほう:刺した鍼を細かく抜き差しする事で、身体の内側に刺激を与える手技)。前の晩にたまたま雀啄の練習をしていたお陰で、納得のいく手応えを掴む事が出来た。ただ、この手技は割と刺激が強いので、思わず声が出てしまう。教室のあちこちからも、いつも以上に多くの悲鳴が聞こえていた。
 そんな鍼実技で飛ばしすぎた所為か、さもなくばただ弛んでいた所為か、解剖学ではどうしても耐えられず、ぐっすりと寝てしまった。時たま意識が戻る度に、板書の内容が一変していてなかなか楽しかった>喜ぶな こんな事で良いと言う事があろうか(いやない:反語)。解剖は前期唯一の追試教科。轍は踏まないようにしたいものだが……。
 その解剖学が終わったのが1208。急げば1220の湘南新宿ライン(しかも快速)に乗れるかも知れない。今後の参考の為に、挨拶もそこそこに荷物を纏め、渋谷駅までダッシュすると、思ったより余裕を持ってあのクソ遠い埼京線ホームまで到着する事が出来た(5分程度で到着)。前もってきちんと荷物を纏めておけば、1215一寸前の終了でも間に合うかも知れない。

 籠原に着いてすぐユニクロへ。太い太腿で擦れてパンツが長持ちしないので、チノパンツ3本\7000のセールにこれ幸いと仕入れに行く為である。帰りの電車の中で、お母んから「今日は甥っ子が来ているから、代わりに弟のシャツも買ってきてくれ」というメールを受けたので、「1400位にはユニクロに着くので、私が買ってくるからウチで孫と戯れていなさい」と返信、寄り道せずに直行……してみると、何故かユニクロにお母んが。眠っている甥っ子壱号まで抱えている。

橘屋:……うちで遊んでるんじゃなかったんかい」
橘母:車で連れだしてる内に『どうせ外に出てるなら』って思ってねぇ(甥っ子は車に乗っていると大抵の不機嫌が直る)」

店を回っている内に、甥っ子は目を覚ました。ユニクロまで来て甥っ子を肩車して回りつつ、チノパンツやら、へたっていたスウェットの替わりやらを大量に仕入れて帰った。

 元々、簡素・清潔・安価以外の価値観を普段着に求めない口なので(そんな金があったら本か漫画かゲームかPCに投資している)、どんどんユニクロ依存度がアップしていて、上から下まで全部ユニクロだったりする日も少なくない。業績のカーブが緩まってるとか色々言われているが、無謀な拡大路線で沈没なんて事がないように祈るばかりである……そんな事があったら着る物がなくなってしまう。頑張れ、ファーストリテーリング。


12月3日 月曜日 授業 1:法学 2:臨床医学総論 3:あん摩実技

 普段通りの時間に起こされて、普段通りの時間に家を出る。非常に無難な滑り出しだったが、何故か埼京線が止まっていたとばっちりで、山手線が文字通り立錐の余地がない状態であった。普段から大荷物なのに、3コマの日はそうでなくても大荷物。抱えているだけで精神的にも肉体的にも肩身が狭い。前衛彫刻もかくやという体勢のまま、周囲の無言の圧力(尻で押されたり二の腕で押されたり)に耐えて渋谷駅まで。朝から無駄な体力を使ってしまう。籠原発、朝の湘南新宿ラインの増発を渇望する。

 さて、今日の授業も無難に終了。平日の湘南新宿ラインの混み具合を確認する為に、普段通らない渋谷駅の東側(六本木通りより南側の明治通り)を歩いて時間を潰しながら新南口へ。周辺はビジネス街となっている為に、「松屋」やら「天や」やらマクドナルドやら、安くて早い食堂が軒を連ねている。途上に本屋も発見したし、新南口の真ん前にローソンもあったし、時間を潰せるファクターが数多くあって有り難い。若干時間に余裕があったので、そのローソンでゴルゴ13を立ち読みしてから駅へ。ホームで10分ほど待つと、ぴっかぴかの新型車両に差し替わった高崎線……湘南新宿ラインが静かに滑り込んできた。今日も、比較的空いている。横浜と渋谷の間は恵比寿しか停車しない上、ビジネスマンの大半は恵比寿で降りてくれる為、平日も渋谷からならほぼ確実に座れるようだ。深く腰掛け、ゆっくり眠りに就……隣に座った私立のお坊ちゃん中学生がきゃぁきゃぁとうるさくて眠れない。うるさいだけならCDを聞いていれば誤魔化せるのでまだ良いのだが(良くないが)、彼らは徐に鞄の中から歴史のプリントファイルを取り出して、歴史クイズ合戦なぞを始めてしまった。余計気になって眠れない。

橘屋心の声:あああああ違う違う違う!御成敗式目を作ったのは北条泰時であって時宗ではないし承久の乱の後に京都に置かれたのは検非違使じゃなくて六波羅探題だしああああ君は郡司って漢字を群司って書き間違えてるしあああああ(以下略)」

結局、心の中でツッコミを入れまくっていた為に、彼らが降りた大宮まで眠れず。


12月2日 日曜日

 今日は、先週いらっしゃる事が出来なかった龍さんをお迎えして、私の練習を兼ね、仕事でお疲れの身体をリフレッシュをして頂く事になっている。先週の轍を踏まぬよう、朝までTRPGをして疲れた身をしっかりと休め、昼頃起きる。下に降りていって見ると、今日は爺婆が甥っ子を愛でるデーである為か、スーパーで買ってきた海苔巻きが昼飯だった。甥っ子が手を付けてないネギトロ巻きをひょいひょいと口に運んで、軽く腹ごなし。と、携帯に龍さんからのメールが入る。今週も寝坊して1時間ほど遅れる、との事だった。時間があるので、原稿を少し進めてみたり、データの整理をしたりして過ごす。腹がこなれてきたせいか、少し眠くなってきたな……と思っていると、今度は直接お電話を頂く。上野に着いた所だと仰有るので、時刻表をめくりつつ、

橘屋:ええっと、今の時間だと……1340上野発ですか。1453に籠原に着きますから、お迎えに参上しますね。前橋まで行っちゃう奴なんで、寝過ごさないように注意してくださいね、呉々も

と念には念を押してお願いをしておく。さて、上野をこれから出るという事は、この後大体80分位時間があり、籠原までの移動や準備などを差っ引いた50分程はゆっくりできるという事である。眠気も手伝ってか、ベッドでごろっと横になって、本を読んで時間を潰す事にした……のだが、食後だからか、眠気が勝ってうとうとしてしまう。ふと気が付くと、携帯が鳴っていた。

龍:……ああ、やっぱり寝てましたね(苦笑) さっきの声を聞いた時『こりゃヤバいかもなぁ』って思ったんですよ。眠そうな声、してましたもん」

時計を見れば既に15時、寝過ごしたのは私の方だった。急いで籠原駅までお迎えに参上して平謝り。龍さんは、あれだけ失礼な事を言っておきながら寝坊してお待たせしてしまった私を快く許して下さった。
 我が家に戻り、ざっと全身を診せて頂いた後、方針を決めて施術開始。本日のメニューは指圧と灸をメインに、按摩・マッサージと……自分以外の人には初挑戦の鍼。授業中は勿論、毎晩寝る前に練習してきた足三里に刺鍼する。流石に緊張したが、今までの練習の成果を信じ、度胸を据えてやってみると、しっかり指先にいつもの感覚が来ている。「これなら大丈夫」と自分に言い聞かせ、慎重に目的の深さまで鍼を刺す事が出来、効果的にも良い反応を得られた。今日は灸の反応も良く、大変実になる体験が出来たと思う。龍さんにも「足が軽くなりましたよ」と仰って頂けたのも、とても嬉しい。
 施術後、お茶を飲んだりテレビを見てのんびりした後に、龍さんを東松山までお見送り。晩飯がまだだったので、方向は逆になるが太田市内鐘庵(しょうあん)へ立ち寄る。このチェーンは、ぴちぴちの桜海老を使ったかきあげが絶品で、しかも安いと来ているので、我が家にいらした時の行きつけにしているのである。揃ってかきあげ丼と牛丼を堪能。幸せに浸りながら、再び東松山に向かったのだった。幸せ過ぎて眠気と格闘しながら運転する事になったのは御愛嬌と言う事で。

 龍さんが帰られた後の部屋に戻ると、部屋は艾の匂いで一杯だった。今日はいつもより多くの灸を据えたからであろう。こうやって少しずつ経験を積み、生活のあちこちが鍼灸師っぽくなっていって、鍼灸の中で生活していくようになって初めて、段々と鍼灸師になっていくのだろう。最後には髪の毛まで艾になってしまうに違いない>なりません


12月1日 土曜日 授業 1:東洋医学概論 2:保健医療社会学

 眠かった一週間も漸く終わりである。日記を書いていたりしたお陰で最後のシナリオを完全に終わらせることが出来ないまま、5時半を過ぎたので身支度。カレーを食らってさっさと出掛ける。
 土曜日は今週も医療系の学校とは思えないほど文系の授業。東洋医学概論に至っては90分間まるまる漢文講読であった。……こういう授業になると、いつもと寝ている人が逆転(絶対に寝ない人は寝ないので除外)する傾向にあるのが面白い。我が校の入試には、去年まで数学があった(今年はないらしい。因みに後は国・英)ので、所謂文系と理系の両方が存在しているからだ……流石に90分ずっと漢文となると、文系でも起きていられる人は少なくなるらしいが。私は楽しくて楽しくて仕方無いので、訓読点を付けながら起きて聞いていた。折角東洋医学の学校なんだから、みんな漢文なら良いのに>無茶です

 授業が終わったので、さっさと帰宅……出来ない。JR東日本のダイヤ改正の賜物である。電車まで1時間以上あるので(口実)、今月初めてのカンティプール。えびカレーで6枚の焼きたてナンを喜色満面で食べる。やはり、美味しいものを食べている時は自然に表情が緩んでくるものらしい。時間に余裕があったのでもっとゆっくり食べていても良かったのだが、どんどんお客さんが来るので、迷惑にならない内に早めに出る。食事をしてもまだ丸々40分はあるので、食後の散歩を兼ねつつ、近くに本屋があるかを探してたっぷり30分近く歩いて回る。「寒い」と言うよりは「涼しい」に近い空気は、歩き回ってほのかに暖かくなった頬に心地よく当って爽快だった。なかなか良い運動になるようなので、ダイエットの為に散歩を続けてみるのも良いかも知れない。
 さて、不安で一杯の湘南新宿ラインに乗ってみることにする。渋谷の前はいきなり横浜なので、思ったよりも人は乗っておらず、いきなり座ることが出来た。後は一切乗り換えもなく、目が覚めたら籠原で駅員に起こされていた。今日のようにすぐ座りさえ出来れば、一度も乗り換え無しで地元まで帰れるのは思ったよりも有り難いかも知れない……勿論、今日が土曜日で空いている、と言う可能性は無視出来ないのだが。週明け以降、しっかりリサーチの必要がありそうだ。

 帰宅後、早速PCに火を入れて残っていたシナリオを完遂して、長かった戦いに終止符を打った。一つの区切りがついた満足感と満腹感で、抑えていた眠気が一気に解放されてとても眠い。さっさと着替えて布団に入ると、あっという間に眠りに落ちていき、目が覚めると既に22時であった。風呂に入ったり、カレーで夕食(今日は三食ともカレーだったことに気付く)をとったり、メールボックスに入っていた「原稿ちゃんと書いてるか」という藤原のメールに恐れおののいたりしながら、チャットでのTRPGを楽しんでいる内に夜は更けていった。


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