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さまざまな構造

車窓から何げなく眺めてるだけでもレールにはいろいろな機構や特徴をみることができます。


●継ぎ目

普段気にも留めないレールの継ぎ目ですが,実は数種類あるのをご存じでしょうか。
普通見かける継ぎ目は右図上段のような単純な突き合わせ構造です。が,駅の構内などで注意してみると,下段のような継ぎ目の間に何か挟まっているのを見ることができます。これが絶縁継ぎ目です。
鉄道は,列車どうしの追突や衝突を防止するために,ある区間内に列車が存在する場合にはその区間に他の列車が進入できないよう信号機や自動列車制御システ ムによって管理されています。このとき,列車の位置を検出するため区間ごとにレールを利用して信号電流が流されており,絶縁継ぎ目はこの管理区間が変わる 部分に使用されているのです。

レールの継ぎ目

「ガタンゴトン・・・」おなじみの電車の音ですが,最近はあまり目立って聞かれなくなりました。これは近年,新幹線で培われた技術である「ロングレール」が一般の鉄道路線にも続々採用されたからです。現地にてぴったりと溶接して作るレールであるため継ぎ目がないのですが,どこまでもまったく継ぎ目がないわけではありません。温度変化による膨張収縮を逃がすため数キロごとに継ぎ目が存在します。
しかし,実際にはその継ぎ目を通過する際にもそれほどの衝撃を感じないものです。この継ぎ目にもロングレールならではの独自の構造があるからなのです。

ロングレールの継ぎ目
ロングレールの継ぎ目(写真)

上の図のとおり,ロングレールの継ぎ目は「伸縮継ぎ目」 と呼ばれ,非常に浅い角度で斜めにカットされた独特の構造になっています。このため,車輪は通常の継ぎ目のような隙間や急激な段差を越えることなく通過す ることができるのです。この構造はまた,ロングレールの大きな温度膨張(夏と冬でその差数十cmにもなるらしい)を外側へ張り出したレールに逃がす働きも 合わせもっています。

 上の写真は私の自宅近くの駅にあるロングレールの継ぎ目です。

首都圏のおすすめな見どころ
●山手線・高田馬場駅外回りホーム下をはじめとする山手線各駅

●ガードレール

カーブや鉄橋などで通常の走行レールの内側にもう1本補助のレールが敷設されているのを見かけます(片側だったり両側だったりしますが)。これは,脱線の防止もしくは脱線時,線路からの離脱を最小限に抑えるために設けられている安全対策のための「ガードレール」です。

ガードレール

ガードレール断面

なんらかの事故で車輪が線路内側に脱落しそうになった場合にはこのガードレールが車輪のフランジ部内側に当たることで脱輪を防ぎます。
以前は左図・左のようにガードレールにも走行レールと同じレール材が使われていたものでしたが,最近はコストが安いせいか左図・右のLアングル材を使用したものが主流です。

三条軌道

一見ガードレールのようですがぜんぜん違う紛らわしいものに「三条軌道」 があります。これは同じ路線にゲージの異なる車両を走行させるために作られた3本構成の線路です。片側のレールを共用し,残る2本でそれぞれのゲージを受 け持つわけです。新幹線と在来線が混在する操車場付近(特に山形・秋田新幹線の終着駅)や貨物引込線などで見かけられます。新幹線関連以外で私が知るとこ ろでは神奈川県に少なくとも2カ所,京浜急行逗子線(逗子線1,435mmとJR引込線1,067mm),小田急線入生田・箱根湯本間(箱根登山線 1,435mmと小田急線1,067mm)が存在します。京浜急行大師線にもあったのですが廃止されてしまいました。


首都圏のおすすめな見どころ
●京浜東北線・田端駅ホーム南行線路の向こう側
●京浜急行線・金沢文庫駅付近の踏切


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