仕事でのパソコン環境=全盲の場合



ここでは私が仕事で使用しているパソコン環境や仕事で使えそうなちょっとしたワンポイントを紹介いたします。

まずはパソコン環境です。


●画面を音声化するスクリーンリーダー

全盲の視覚障害者がパソコンを使うには、画面を音声化するスクリーンリーダーを使います。これを使うとメニュー画面を読み上げたり、東京を変換すると「ひがしの東、京都の京」ってしゃべります。
よって全盲視覚障害の私でもスクリーンリーダーを使えば、Excel、Word、インターネット、メールはもちろん、ホームページも作れます。
参考: 「画面を音声化するスクリーンリーダー」


●文書作成

私は書類を作成するためにExcel、Word、秀丸エディタを使っています。
計算が必要なデータ、表作成にはExcelを使用しています。
文書の中に表を挿入するような資料でもExcelを使って文書と表を作成することが多いです。表が入る書類には、WordよりExcelのほうが小回りがきくという点が大きな理由です。

文書で構成されている書類については、Wordを使用します。
特に文字を装飾したり段落構成を考えた文書の作成にはWordが向いていると思います。

レイアウトを考えないでとりあえず文書を書くような場合は、秀丸エディタを使っています。特に秀丸エディタのマクロを使えば作業効率がアップします。そして文書をクリップボードにコピーしてIEの入力フォームにコピーしたりしています。

このように文書作成は、Word・Excelといったほかの社員のみなさんと同じものを使用しています。会社でみなさんと同じアプリケーションが使えるということは業務遂行には非常に重要です。


●電子メール・インターネット

メールソフトについては秀丸メールを使用しています。スクリーンリーダーを使用すれば秀丸メールで通常のメール送受信が可能で、更に秀丸メールのマクロ作成を身につければ、自分好みの読み上げにカスタマイズさせることも可能です。
視覚に障害があってもメール送受信は出来ますので、視力の有無に関わらずメール送受信の作業は問題なく行うことは出来ます。

インターネットにおいてはIEを音声化して使用しています。
インターネットを利用して情報収集することはもちろん、Web環境でIEを使って操作するシステムも使用することは可能です。


●活字印刷物認識

私の業務の内容からはあまり印刷物というのは使わないのですが、でも一応活字の印刷物を音声で読み上げさせるためにスキャナはあります。
そこで、活字文字の印刷物をスキャナで画像として取り込み、OCRソフトのe.Typistを使って音声で読み上げさせてます。
なお活字の印刷物がきれいであれば、OCRの文字認識も制度は高いですが、印刷物によっては文字認識の制度も下がりますので注意が必要です。
また手書き文字についてはOCRソフトでの文字認識は残念ながら難しいです。

石山朋史(BJA)



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