HOME:入口に戻ります 文楽の解説 演目の紹介 このサイトについて
HOME >> 演目の紹介 >> 演目の分類(世話物) >> 鑓の権三重帷子 >> 二、朝香市之進留守宅の段
 
 あさかいちのしんるすたくのだん
浅香市之進留守宅の段イメージ画像(リンクなし)
子以外には伝えられないこの秘伝「もし弟子に伝える時は親子の約束をした上でのこと」と、おさゐは娘の縁談を申し出ます。

おさゐ
虎次郎
お菊
下女 お杉
笹野権三
乳母
岩木忠太兵衛

 舞台は茶道の師、主君の供をして 江戸に滞在中の浅香市之進の留守宅です。
女房のおさゐは三人の子の母、三十七にはとても見えず、華奢で骨細い女性です。茶室の掃除を怠らず、息子の虎次郎の腕白ぶりに頭を悩ませ、姉娘お菊の成長を喜ぶ日々を送っています。 今日も娘の髪を結い直し、下女達にもその上手さを誉められながらの会話にも、つい日頃のおさゐの気持が表れます。

 権三がおさゐの父親岩木忠太兵衛を訪ねてやって来ますが、あいにくの不在。引き止めたおさゐに権三は「真の台子の茶の湯について知りたいので巻物を拝見したい」という希望を述べます。
 おさゐは、「この伝授は一子相伝で我子以外には伝えられない、弟子に伝える時は親子の約束をした上でのこと。常々姉娘のお菊をあなたに差し上げたいと思っていました。そうすれば婿は子、一子相伝も同じ、市之進も満足なさるでしょう」と、これ幸いにとお菊の縁談を申し出ます。

 権三は俯いたままなので、おさゐはいらいらして娘が気に入らないのかと切り口上です。
そしてついに「娘御のお菊殿、必ず妻に頂きましょう」と権三は返事をしました。おさゐは大喜びで伝授の書、巻物は今夜お渡ししましょうと言うのでした。

 突然お雪の乳母が訪ねてきます。慌てる権三、おさゐにとっても嫌な客です、お雪の兄伴之丞には何度も不義を迫られているのです。権三をそっと帰すと奥に引っ込み下女が乳母の相手をします。 そこで乳母が、「お雪と権三様が夫婦の約束をしていますが、おさゐ様に仲人を頼みたい」と言い出しました。奥で話を聴いていたおさゐは激昂し嫉妬します。

 進物番の父岩木忠太兵衛がやって来ます。権三に伝授が決ったことを伝えると、秘伝は一言たりとも権三以外に知られることのないよう忠告して行きます。

 "楽々連の楽書き"
浜の宮馬場の段 浅香市之進留守宅の段 数寄屋の段 岩木忠太兵衛屋敷の段 伏見京橋妻敵討の段
       
HOME >> 演目の紹介 >> 演目の分類(世話物) >> 鑓の権三重帷子 >> 浅香市之進留守宅の段 ▲ページTOP