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すきやのだん
数寄屋の段 画像(リンクなし)
られもない夢うつつ。と、おさゐは自分のねたみ嫉妬の浅ましさを後悔するものの、すでに抜き差しならない状態に。

おさゐ
笹野権三
川側伴之丞
下人 浪介

 おさゐは数寄屋(茶室)の縁先に座って泣きながら、権三とお雪に内々話がついていることをくやしがります。度々自分を誘惑しようとした憎い伴之丞の妹と権三がそんな仲だと知って余計に腹が立つのでした。

 権三がやって来ました。二人は茶室へ行き、台子の伝授の巻物を広げます。夜はどんどん更けていきます。・・・と外には川側伴之丞、おさゐの寝室に忍び込み口説き落として伝授の巻物を手に入れようと供の下人浪介と庭へ忍び入ってます。

 権三は外の様子が変だと気付き庭へ出ようとしますが、おさゐはそんな権三の様子を勘ぐり先程の嫉妬心が燃え始めています。「付けている帯は誰が縫った」と権三の帯を解いて庭に投げ捨てます。そして「お雪に貰った帯ではなく私の帯をすればいい」と自分の帯を解いて投げ与えますが、権三はムッとしてその帯も庭に投げ捨ててしまいます。
 運の悪いことに庭にいた伴之丞がその帯を拾い上げ、「市之進の女房と笹野権三の不義密通、この帯が証拠。岩木忠太兵衛に知らせる」と言い捨てて走り去りました。

 権三とおさゐの間には不義はなかったものの、それを言訳しようとしても、もうできないことでした。

「二人の帯を証拠に取られて乱れた髪のこのざまで、言訳はできない。もう侍が廃った」と権三は嘆きます。さあ、ここからがクライマックスと申しましょうか、あなたはどうお感じになるでしょうか?

 すでに門外には人の気配 、「何も知らず夢見る子供たちの寝顔を一目でも」と未練を残すおさゐ、図らずも伴之丞らが垣根に作った抜け穴が、今の二人には「天の道」と屋敷を後にするのでした。

 "楽々連の楽書き"
浜の宮馬場の段 浅香市之進留守宅の段 数寄屋の段 岩木忠太兵衛屋敷の段 伏見京橋妻敵討の段
       
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