2008年7月20日(日)
北海道4日目/4日間  糠平〜三股山荘〜三国峠〜石北峠〜留辺蘂 
121Km 曇り、一瞬晴れ GPSログ  

   
  
 朝6時に眼が覚め出発の準備。 食堂で朝食に用意してもらったお握りを食べて、6:50に糠平ユースを出発。雨は すっかり上がり、三国峠に向かって国道273号を走り始めました。



   

森の間から覗いた糠平湖。周辺には旧士幌線跡を利用した散策路が整備されています。



   
  
 三国峠は標高1081mで道内の国道最高地点というものの、糠平からは32kmで高低差500mだけ。余裕で走れ ます。 先ほど湖畔の駐車場でちょっぴり楽しそうに糠平湖を眺めていた自衛隊のみなさんが、装甲車両の隊列を組 んで追い越して行きました。 前方のハッチからしっかりと見張りの隊員2名が顔を出していましたが、真冬は大変だ ろうなぁ。



   

道の両脇には原生林が広がっていました。 でもこの眺めはまだまだ序の口でした。



   

 旧士幌線の幌加駅跡。以前立ち寄ったときには廃線直後で、すでにプラットフォームは朽ちかけていました。しばらく すると跡形もなくなるのだろうなぁと寂しく感じた記憶がありますが、しっかりと保存されいるようです。






     

 国道に掛かる滝ノ沢から、旧士幌線の第5音更川橋梁が見えました。国道から橋梁まで散策路が設けてあります。
ゲートが設けてあり、橋の上は進入禁止です。 反対側にも線路の跡がくっきりと残っています。



   

十勝三股に9時到着。 旧士幌線の終着駅です。何とかまだ駅の建物(機関庫?)が残っています。



    

 十勝三股にある三股山荘に通りかかりました。 開店は9:30からとの表示。 どうしようかなと少しだけ迷いました が、今回思うところがあり周辺を散策して開店を待つことにしました。 山荘の裏側にはルピナスが群生しており、そ の中に整備されている遊歩道を散策。 ほんのちょっとの間でしたが、今回はじめてくっきりと青空が顔を覗かせてくれ ました。 
 9:30に戻ると看板が営業中に替わっていたのでさっそく中に。 とりあえずメニューからトーストとコーヒーを注文し た後にオーナーの奥様に、『今から28年前にも営業されていましたか?』と尋ねると、『はい、このログハウスに移る2 年前ですね。』とのこと! \(^O^)/ 
 
 〜 記憶を遡ること28年。 三国峠までの国道273号は国道とは名ばかりで、延々と砂利ダートの続くとんでもない 道。 曇り空の下、4サイドバッグのランドナーを黙々と押しながら歩いているときに立ち寄ったのが、こちらの三股山 荘でした。 場所は今のログハウスと道を挟んだ反対側で、レストランではなく小さな売店。 『晴れていれば、とても綺 麗なながめなんですよ』、と店に貼ってある白黒写真を見せながら周辺の様子を教えていただき、好(?)青年であっ た私は『必ずまた来ます。』と答えたのでした。 山奥に不釣合いな若くてきれいな女性が、山が好きでたまらないとい う凛とした雰囲気を漂わせていたことに強い印象が残り、いつまで忘れられない記憶となっていました。

 (勝手な)再訪の約束を遂に果たしたことで、ようやく28年前の北海道ツーリングが完結という気分で、何ともいえな い達成感に満たされました。  



     

 当時店に寄ったときの様子を交えながら、しばし雑談。 最近はもっぱら中高年の旅行者が多く、若い人が立ち寄る ことがずいぶん少なくなったとのこと。 若い人たちはどういう旅をしているんでしょうかねぇ、という話などをしながら、  至福のひと時を過ごしました。 湧き水で丁寧に入れてもらったコーヒーが、とてもおいしかったです。



     

 十勝三股から10km弱で、三国峠手前の松見大橋に到着。 下に道が見えましたが、これが旧国道ではないでしょ うか。 



   
 
 旧国道が舗装された立派な道になったと聞いていたので、秘境感が薄れてどうかなぁと思っていたのですが、松見 大橋の眼下に予想だにしなかったすばらしい大原生林が広がっていました。 北海道といえどもこれだけの自然林が 広がっているのは、他にないのではないでしょうか。 橋の上から壮大な眺めをじっくりと堪能しました。



    

 松見大橋から峠までが自転車を押して、一歩一歩進むごとに変わってゆく風景を愉しみながら、ゆっくりと進みまし た。 こうした愉しみ方をできるのは自転車乗りの特権です。
 三国峠橋からの眺めも悪くありませんが、目の前に一切の人工物が視界に入らないという点では、松見大橋からの 眺めのほうが素晴らしいと感じました。 こちらにも旧国道跡が残っています。



   

 観光客が大勢いる峠の駐車場はトイレを利用してさっさと通過、三国峠トンネルを通過して下りに入りました。


   

峠からの快適なダウンヒル。 ついつい気になってしまいますが、こっちでも旧国道と思われる道が見えました。

   

    

 大雪湖まで下り、今度は国道39号線で石北峠(1043m)まで250mほど登り返し。 石北峠もずいぶん立派にな っていました。



   

 峠を越えてから留辺蘂(ルベシベ)町までやや単調な国道ツーリングになってしまったので、平野部が広がたったと ころでお約束の農道に入りました。 すると見渡す限りタマネギ畑。 壮観な眺めです。東京ドームで50個分以上の広 さは十分にありそうです。



   

 50mほど先をママチャリで走っていた野球少年2人組が、こちらに気づき必死に逃げ始めました。 相手はママチャ リ、しばらくいつものペースで追走していると、やがて追いつきました。 せっかくなので野球少年の一人に、白い花の ついたツル状のものは何なの? と聞いてみたところ、シロハナマメ(白花豆)という特産品で農家にはタマネギよりも シロハナマメのほうが重要な生産物と教えてくれました。 シロハナマメは甘納豆の原料になるようです。赤い花が咲い ている方は、アカハナマメ(赤花豆)です。



   

 石北線・留辺蘂駅に17時到着。 余裕を持って自転車を分解し、北見行き17:57に乗り込みました。18:24北見 駅に到着。 
 市内は夏祭りでした。最後の宿となる駅前のビジネスホテルのフロントで教えてもらったお勧めの焼肉屋さんで旅の 無事に一人乾杯しました。 翌日はバスターミナルから女満別空港に向い、JAL1180便10:25発羽田行きで帰宅の 途につきました。

 今回の北海道ツーリングは輪行を組み合わせ、海と山の両方を満喫し大満足の5日間でした。 
  

1日目(浜中〜根室)  2日目(浜中〜根室)  3日目(新得〜糠平)  4日目(糠平〜留辺蘂)


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