
出発直前に行われた勤務先の大きなイベントに追われ、自由な時間を取れない毎日でしたが、 週末に少しずつ自
転車の整備や携行品を揃えて準備を進めました。 有給休暇を取得、羽田空港11:00発全日空845便に乗り込み
オホーツク紋別空港へと出発しました。 自転車は輪行袋に入れて手荷物として持ち込みます。 今年はなぜか手荷物
カウンターで預ける際のエックス線検査はなしで、ボンベなどの危険物がないかだけ尋ねられただけでした。 航空会
社の自転車の対応はいつも大変気持ちよく対応してもらっています。
飛行機は大雪山系上空を越えてゆきましたが、前日に大雪山系のトムラウシ山系で悪天候による遭難事故で10人
が亡くなる事件があったばかり。亡くなられた方のご冥福をお祈りしました。

紋別空港で自転車を組み立て、国道238号を北上。 5kmほど進んだところにオホーツクとっかりセンターという建
物を見つけ、入場料200円を払って入場してみました。 ここは、傷ついたアザラシを保護する施設だそうです。 こ
の日は平日のためか、見学者は他に3人だけと閑散としていました。 プールサイドでは飼育係の女性が、アザラシを
訓練中。 名前を呼ばれたアザラシが、行儀よくプールから上がってきます。 他のアザラシは全く反応しないのには
とても感心しました。 とっても賢いアザラシ君たちです。
しばらくフェンス越しに見学していると、記念写真を撮りませんか? と飼育係の女性に声をかけていただき、プール
サイドに入れてもらいました。 お話を聞いたところ、このアザラシは9歳の女の子で、性格がとっても暢気なので、のん
ちゃんとう名前だそうです。 とっても可愛いらしい顔をしています。 1歳のときに魚網にかかったところを漁師さんに届
けられ、以来毎日8kgのタラを食べて、今では体重300kgまで大きくなったそうです。 背中を触らせもらい、いっしょ
に写真を撮ってもらいました。

とっかりセンターの隣には、流氷の季節になると必ずニュースに登場する砕氷船ガリンコ号の初代が展示してありま
した。

すっかり曇り空になってしまい、荒涼とした雰囲気になったオホーツク海です。 遠くで犬を散歩させている二人連れ
がいるだけで、他には誰も見当たりませんでした。

沙留(さるる)から農道に入りました。 北海道には、こういった整備された農道がたくさんあり、快適に自転車に乗る
ことができます。
今年もまた北海道に来れたなぁ等と満足感に浸って走っていると、予定していた道がなくなっているではありません
か。 GPSに表示されている道の分岐付近は、重機が入り整地されています。 どうやら道を造りなおしているようで
す。 (GPS用の地図の道が実際にはないことが何度かありましたが、今回はGoogleマップの航空写真にもしっかり写
っていました。)
GPSの地図で見ると、この先を進んでも行き止まりになっています。 引き返そうかなと思っていたところ、ちょうど農
作業中のご老人がいたので念のため道を尋ねてみました。 するとこの先はダートになって自転車で走るような道では
ないけれど、他の道とはつながっていて抜けようと思えば抜けられる、と微妙な説明。

目指す道道334号までは2kmほどで出られるはずなので、多少の悪路でも引き返すよりは早いと判断して、進んで
みることにしました。 道は舗装からダートになったものの比較的締まった路面。走ってはみたものの、どう見てもまと
もな道は見当たりません。 先ほどのご老人が言っていたのも、たぶん登山道みたいな道のことだったと思い、諦めて
引き返しました。

10km近く引き返し、GPSで目星を付けた分岐に到着。 念のため、道路わきで作業をしていた方に状況を確認し
たところ全線舗装で間違いないとのことでした。 やれやれと一安心して、牧草ロールを眺めながらしばらく走っている
と、背後から突然大きなコリー犬が激しく吼えながら追いかけてきました。 あわてて、加速して振り切ろうとしました
が、大型犬のためかなりの速度で追いかけてきます。 横に並ばれそうになり、噛み付かれそうな恐怖のどん底に陥
りながら必死の思いで200mほど走ってようやく振り切りました。 振り返ってみると、不審者を縄張りから追い出し、
してやったりと勝ち誇ったような顔でこちらを見ているコリー犬の姿がありました。 無茶苦茶悔しかったです。
実は、先ほど引き返した道路でも中型の黒犬に追いかけられたのですが、こちらは雑種らしく尻尾を振って半分じ
ゃれてくる感じだったので、それほど慌てなかったのですが、大型犬は本当に怖いです。 たぶん、牧場がキツネ、ある
いは熊対策に放し飼いにしているのではないかと思いますが、サイクリストにとっては勘弁して欲しいというのが正直
なところです。

丘を一つ越えて、ようやく道道334号(中藻興部興部線)に入りました。 ここから今日の目的地の滝上まで一本道に
なります。 交通量は少なく、時々エゾシカ、キツネの姿も見えて北海道らしい風景を楽しめる道です。

予定外の遠回りで1時間以上をロスしたため、日没後の19時40分にようやく 札久留峠(305m)を通過し、西興部
村から滝上町に入りました。

峠を越えると雨がポツポツと降り始めましたが、20時30分に何とか滝上町の友人宅に到着。 友人には、遅くても1
9時ごろには着く予定と伝えておいたため、かなり心配をさせてしまいました。 熊に襲われたのではないかと、わざわ
ざ千葉県の自宅まで連絡をしてくれていたそうです。
実は私は携帯電話は持っていない上、道中で最後に公衆電話を見たのはオホーツク海に沿って北上していた国道
238号のセイコマートが最後。 気にはなっていたものの連絡しようがありませんでした。 友人からは今の時代、携
帯電話ぐらい持てと強く説得されてしまいましたが、今のところまだ不所持のままです。
友人宅で本格的焼肉ロースターでジンギスカンをお腹一杯ご馳走になり、町内のたきのうえ渓谷ホテルにチェックイ
ンしました。
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