
耳を疑うような雨が窓にぶつかる雨音で朝4時に目が覚めました。外を見ると木々が風にあおられ激しく揺れていまし
た。 昨日は夕方には雨が止んで天気は回復基調だったので、多少は雨が残るにしても昨日よりは雨足は確実に弱
まると思っていただけに、強烈なカウンターパンチを受けてしまいました。
雨は徐々に止んできたものの、二日連続の雨中サイクリングに加え、強風でテンションは下がりっぱなし。 輪行での
移動を考えましたが、オーナーの奥様が午後から晴れそうですよ、と声をかけていただき、とりあえず摩周駅まで行っ
てから考えようと、宿を7時に出発しました。
国道243号に出て道路脇の旗を確認すると、ほぼ真北から強い風が吹いています。 これなら浜中方面に南下す
る今日のコースには絶好の追い風、ようやく自走を決断しました。

実は、昨日宿までもう少しというところで、GPSの液晶画面の内側から露が着き始め、地図は表示されていたもの
の衛星電波を補足できなくなりました。 とりあえず電源を切って様子を見たものの再び目覚めることはありませんで
した。
GPSに頼り切っていたため今回は紙の地図は持参していません。 昨夜、夕食後に宿で道路地図を借りてルートを
再確認しようとしたところ、情けないことに老眼鏡を持参していなかったため道路のナンバーがまったく読めず、トホホ
状態でした。 宿のオーナーの奥様に快く代読を引き受けていただいて、簡単な行程表を作成しました。
GPSに電源を入れるとやはり全く反応せず。 液晶画面には何やら油状の液体まで付着してしまい、完全に壊れて
しまいました。
※ 帰宅してから自然乾燥させましたが、起動はできませんでした。(>_<) 雨でもある程度の防水性はあるものの、ボ
タンを頻回に操作をすると雨が本体内に侵入してしまうようです。 販売店に修理を依頼したところ、2万円ほどで新品
交換になりました。

国道243号は虹別町まで東に向かっているため北風を真横から受けていましたが、虹別町からは南に向きが変わる
ため、いよいよ極楽サイクリングモードに入りました。

それでも弱い雨が時折降ることがあり、西春別町ではバス停の待合室の中で休憩。 その後、雨は完全に止み、路面
も乾いてきました。

通行量の多い国道を避けようと、いつものパターンで脇道の農道を進もうとしましたが、GPSが使えないため、なか
なかよい道が見当たりません。 方向が大きくずれないように、見当をつけて脇道を走ってみました。

そうこうしているうちに、天気がすっかり回復して青空が顔を出し始めました。 はやり青空で走るのは気持ちよく、思
わず牧場脇の道で牛くんたちに声をかけてみると、ぞろぞろと寄って来てくれました。

北海道らしい牧草ロールと火の用心の看板。 看板には、北海道の名物を使ったシャレが楽しく、思わず写真を撮り
ました。

別海町交差点で、定食屋さんに入りました。 年配の女性3名が切り盛りされていましたが、メニューを見ると驚きの値
段。天丼が500円、にぎり寿司とそばのセットは1000円。2品ぐらい注文したいところでしたが、食べ過ぎるとお腹が
苦しくなって走るがつらくなるので何とか自重し、天丼を500円を注文。 この値段で期待していなかったエビも付いて
きて、タレも甘めでごはんにぴったり。 たいへんおいしくいただきました。お勧めの一店です。

別海町から国道の西側を進んでみることにしました。 車はまったく通らない上に、北海道ツーリングとしては久しぶ
りに青空が大きく広がり気分は最高です。

国道243号を避けようと適当に道を選んで走っていると、何と西側の国道244号に出てしまいました。 ちょっぴりが
っかりしていると、少し走ったところにあった万年橋の上からすばらしい風景が待ってくれていました。
ヤウシュベツ川という名前の川が、静かにゆっくりと先に広がる風蓮湖に注ぎ込んでいました。 しかも川には青空
が写り込み、なんとも言えない色合いです。 しかも見渡す限り人工物が見当たりません。
このすばらしい眺めに圧倒され、30分ほど立ち止まり自然の美しさを堪能しました。 最後は大声で叫んでみたりし
て、立ち去りがたい気持ちを振り切り走り始めました。
人が大勢い集まる観光地にもすばらしいところはたくさんありますが。 こういった場所に巡り合えることが北海道の
魅力の一つだと思います。

13時30分に別海町から厚床市に。 最後まで別海町特有の大きな牧場が広がっていました。

JR厚床駅で、初田牛駅までの距離を確認。 国道44号からすぐに道道1127号(初田牛厚床線)に入り、花咲線の
踏み切りを渡ると太平洋までもうすぐです。

ついつい撮りたくなってしまう初田牛駅。ちょうど列車が到着していましたが、秘境駅としてお約束の乗降客ゼロでし
た。

いよいよ今回一番楽しみにしていた北太平洋シーサイドラインに入りました。昨年は雨中でもすばらしい景観に感動し
ましたが、今年は青空も広がり大展望が広がっていました。

景色を楽しみながら、ゆっくりゆっくりと走りました。

恵茶人沼(えさしとぬま)と、すぐ近くにある北太平洋乗馬クラブの入り口で見かけたハマナスの花。

奔幌戸漁港(ぽんぽろと)と、湿原の中に静かに広がる幌戸沼(ポントヌマ)

最後に榊町トンネルを抜けて、今年もきりたっぷ里に17時30分に到着。

19時の夕食まで少し時間があったので、宿に荷物を置いて霧多布岬まで。 宿から20分ほどで到着しました。
北海道で一番好きな場所ですが、3度目の訪問で初めて霧のない岬を見ることができました。 霧の中の岬も大好き
ですが、真っ青な海の広がる様子もすばらしい眺めでした。
宿に戻って、今年も宿主自ら地元で取れた新鮮な魚貝で握ってもらえる、たっぷり寿司を堪能。 ティータイムは、オー
ナー夫妻と私だけでしたが、最後にオーナー秘伝の足指マッサージをたっぷりしてもらって熟睡しました。

翌朝は宿犬ハイシー君と散歩をした後に宿を自転車で出発、JR浜中駅で自転車を輪行袋に詰めて、7:05発釧路駅
列車に乗り込み釧路空港を経て帰路につきました。
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