2007年7月14日(土)  GPSログ
北海道2日目 塘路〜厚岸〜浜中 138km 曇り




釧網本線 釧路駅    ただいまエゾシカ捜索中

 26年前に釧路ユースホステルに宿泊しましたが、当時は湿原を見渡せる場所は岩保木山だけでした。その時は 寄らなかったので、今回は最近の釧路湿原は展望台も整備されてきているようなので、どこかよい場所がないか 調べてみました。 
 『てくてく歩き 北海道』という観光ガイドブックを見ると、塘路駅 (とうろ) に貸し自転車があり、コッタロ湿原という ところに展望台がいくつかあるとのこと。 未舗装路ですが、貸し自転車が走れるなら全く問題ないはずなので、こ こを目指すことにしました。
 
 釧路駅前で自転車を分解し輪行袋に詰め込み釧網本線・網走行の始発5時59分に乗り込み、塘路駅に向かい ました。 釧路湿原を進んでいる途中で列車が急停車。 すぐに車内放送が流れ、列車がエゾシカと接触したので 調べるとのこと。 10分ほど停車して、運転手さんと車掌さんが線路沿いを調べていましたが、結局見つからなか ったようです。 よくあることのようで、デッキの床に座っていた高校生たちは全く意に介さず、そのまま漫画を読ん だりゲームを続けていました。 もしケガをしているエゾシカが見つかったら救助することになるのでしょうか?



    

 車内はほぼ全ての座席が埋まっていましたが、途中で降りる人は僅かでした。 塘路駅でもハイキング姿の中年 女性2人が降りただけ。 駅舎は売店、貸し自転車屋さんを兼ねていて、お店の男性が倉庫から自転車を並べ始 めているところでした。 20円でコッタロ湿原の地図を購入しましたが、これが後で役に立ちました。

 国道391線を数百メートル走って左折すると、コッタロ湿原に向かう道道1060号に入ります。最初だけ少し舗装 されていますが、あとは砂利道。 砂利はそれほど深くないですが、ママチャリタイプの貸し自転車ではちょっと大 変な道です。(貸し自転車にマウンテンバイクも置いてありました。)



 

 釧路川と交差したり併走しながら進みました。 こういう風景があると、いかにも湿原という感じがします。 



 

 車も十分にすれ違える広い道でした。 朝早い時間だったためか、車は数台通っただけ。サイクリングには快適で した。 ただし道の両脇には木が多いため、湿原を見とおせるところは少ないです。 上流側の森林伐採が進み土 砂の流入が増えたため、最近は雑木が多くなってしまったそうです。



   

 10km弱でコッタロ第一展望台に到着。 トイレの建物の裏から、展望台への階段があります。 しばらく森に遮ら れていましたが、展望台に近づくと急に展望が開き、湿原がすぐ目の前にど〜んと広がっていました。
 自然に接する場所が立派な施設だと雰囲気が壊れていまいますが、この展望台はとても素朴な感じで良い雰囲 気です。 



    

 コッタロ湿原は釧路湿原とは別の湿原で、大きさも小さいそうです。 しかし、ここからの観望はす釧路湿原以上 にすばらしかったです。 
 昨日の釧路市湿原展望台と比べると、湿原が目と鼻の先ぐらいの距離で見ることができます。車が全く通らずホ ントに静かな場所で、沢山の鳥のさえずりがよく聞こえていました。 しかも周辺数キロの中にいるのは自分一人な ので、この贅沢な景色を独占です。 立ち去りがたい気分でしたが、あまりゆっくりしているわけにも行かず、次の 展望スポットに向かうことにしました。
 


     

 駅前で買った地図に、二本松展望台というのが紹介されていました。 道路には何の表示もないので、知らない 人は気がつかずそのまま通り過ぎてしまいます。 ちょっぴり脇道に入り、途中で自転車は置いて小さな山に登りま した。

 コッタロ第一展望台よりも標高が低いですが、こちらもなかなかの眺めでした。 しばらくすると、湿原から人の声 が聞こえてきました。 湿原の中を歩いているのかなぁとキョロキョロしていると、カヌーで釧路川を下っている人た ちが木陰から出てきました。 川までそれなりの距離があったのですが、静かだとこんなに良く音が聞こえるんだと 感心しました。



サルボ展望台    

 前の2つの展望台ですっかり気分がよくなり、コッタロ湿原から塘路駅方向に戻りながら、サルボ展望台と三角点 展望台にも寄りました。 2つの展望台へは国道の脇に駐車場があり、そこから登ることができます。 自転車は 駐車場に置いて15分ほど登ってサルボ展望台に到着。 
 ここからは塘路湖と湿原を見ることができ、先程とは一味違った眺めを楽しめます。 展望は良いのですが、すぐ 近くの国道を走る車の音が響いてくるため、静けさに欠けるのが残念。



    

 サルボ展望台から一山超えたところにある三角点展望台です。 目の前にサルルン湖があり、水草で覆われて いる様子はいかにも湿原という感じです。 駐車場からはサルボ展望台より遠いため、ここまで来る人は少ないよ うです。 静かに湿原を眺めたいという人には、こちらの方が良いかもしれません。 



    

 展望台巡りをおしまいにして浜中へと向かいました。予定より遅れ気味となったことと、4つの展望台に登った後 に向かい風を走り、すこしバテてきました。 おまけに交通量の多い国道を避けて走ったつもりが、予想外に交通 量が多く、なんだか急にテンションが下がってしまいました。 
 
  国道44号線に出たところで時間はすでに12時近く。 楽しみにしている今日の宿の夕食に間に合うか微妙に なってきました。 このまま予定していた昆布森村を通る道道142号線に入ると、残り100km以上走ることになり ます。 そこで、20kmほど距離が短くなる国道44号線 (写真左) で厚岸方面に進むことにしました。


 ところが国道なので当然のことながら大型車の通行量が多く、しかも単調な風景が続きます。 さらに脇から野良 犬がいきなり飛び出して驚かされたりで、いい加減うんざりしてきたところ、先程あきらめた海沿いを走る道道142 号線と結ばれた<ふるさと林道浦雲泊線 >(写真右) の表示を見つけました。 GPSのルート検索機能で宿までの距 離を測ってみると、林道を進んでも国道より10km程度長くなるだけなので、夕食にもぎりぎりで間に合いそうです。




   

 ということで林道を経て道道142号線に入りました。 こちらは多少のアップダウンを繰り返しながら、海が見えた り山が見えたりと風景の変化が多く、とても楽しい道でした。

 さきほどの国道44号線は交通量が多かったのですが、食堂はもちろんコンビニ、自動販売機など全く無かった ので、携行食でしのいでいました。 厚岸で国道44号に再度入ったところでようやくコンビニを発見して、あんま ん、肉まんを購入、冷えた身体にはうれしい補給になりました。
 


    

 厚岸大橋を渡り、道道123号に。 こちらも交通量は少なく、軽くアップダウンを繰り返しながら進んでゆきまし た。



   

 アヤメヶ原です。 海に面した高原地帯にたくさんのアヤメが咲き、放し飼いにされている馬たちがのんびりと草を 食んでいました。



    

  岬の先端まで遊歩道が続いていました。馬を驚かさないようにそろそろと自転車で走ってゆくと、少しづつ近づい て目の前まで寄ってきてくれました。



    

 涙岬に到着。道道からほんの少し入ったところにあります。 時間が遅いせいなのかこちらもあやめヶ原と同様に 人影はほとんどありませんでした。 時刻は17時を回り、本日の宿のきりたっぷ里(きりたっぷり)へと急ぎました。  

 19時の夕食にぎりぎり間に合う18時40分に到着。 食事の前にまずは身体が温まるようにと、すぐに風呂に案 内していただきました。 身体が温まったところで地元の新鮮な魚でご主人が握る、名物のたっぷり寿司を堪能。  2.5人前も握ってもらいお腹が苦しくなりましたが、他の方たちはさらにお代わりをしていました。 こちらの宿では 豚肉、鶏卵を含めてほとんどの食材が自前で作られています。 野菜は無農薬&有機栽培で育てているということ なので、夜のティータイムでは興味津々でお話しを聞かせていただきました。 

 1日目(阿寒〜釧路)  2日目(釧路〜浜中)  3日目(浜中〜別海)  4日目(別海〜弟子屈)


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