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Last update : 2001.09/01
3.コンクリート製被曳航油槽船(その1)。
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船名
所在地
写真撮影日時
不詳
音戸漁港(広島県安芸郡音戸町坪井地先)
2001年3月20日09:00〜11:00頃
被曳航油槽船の船首楼附近を左舷側から見る。
船体は画面左を向いています。画面左下のコンクリート製構造物は まっとうな防波堤です。
武智丸と同様、船首前端附近は溶接の 薄鋼板で覆ってあります。
船首楼甲板にはかなりきついシアが付されています。 船首乾舷は水切りのためにある程度必要なのに対し、 船体中央部の乾舷は海面ぎりぎりで計画してあるわけで、 この両立を図った結果ではないかと思います。
被曳航油槽船を左舷前方から見る。
海面上に出ているオリジナルの部分は、船首楼部分と 右舷の水線部附近だけです。 写真で船首楼から後方に見えるものは、 全て後から防波堤・漁港設備として本来の船体の上に 工事したものです。
左舷後方から見た被曳航油槽船の船首楼部分。
船体表面はモルタルで仕上げたとされており、 今日でも多少は剥離してはいますが かなり綺麗に残っています。
船首楼甲板上には他船から曳航されるための 簡単な設備があります。
船首楼最後部舷端に丸みが付されているのは、特型駆逐艦などと同様、 応力の集中を避けるためでしょうか。
沖側から望む被曳航油槽船。
分かり難いですが写真右側が船首でして、 実際の船体は防波堤の画面右側2/3程度の 部分(水線附近に膨らみが見えるあたり)のみです。
朝の音戸漁港は静かで、 ここもまたどこにでもある漁港そのものでした。
被曳航油槽船の右舷舷側を後方から見る。
被曳航油槽船の特徴である、 円形に近い船体断面形状がわかります。
船内に海水を入れるためにこの附近の船体に穴が開いており、 潮位が低い時には見えるそうなのですが、 満ち潮だったらしく、 残念ながら確認することが出来ませんでした。
潮流が速くて海水が綺麗でした。
画面右側、船が見える向こうは広島市沖まで20kmほど陸地がなく、 台風襲来時などには波涛が漁港へと押し寄せるのでしょう。
現地に立っている記念碑です。 この防波堤の由来を示すものはこれだけでした。
裏の碑文を引用します。(問題ないよね?)
「当地には舟溜の施設なく年々歳々被害夥しく防波堤の建設こそは地方民多年の 宿願であったが昭和二十八年三月広島県議会議長桧山袖四郎先生に懇請し、 その特別の御尽犀を得、組合員亦力を合せて建設に努め、今後如何なる 風雪激浪にも堪えるであろうこの防波堤の完成をみたことは 喜びに堪えない
こヽに碑を建てて深く感謝の意を表し、永久に記念する
昭和三十一年十二月吉日
音戸漁業協同組合
組合長 理事 栗原久郎」

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Constructed by Kyosuke Fujiwara ,in 1999.