たばこの煙に含まれる有害物質について。

主流煙と副流煙

主流煙:喫煙者が煙草自体を通して直接吸い込む煙で酸性。

副流煙:煙草の点火部から立ち上る煙。
    有害成分の量は主流煙より多く、アルカリ性で目や鼻の粘膜を刺激する。

このため、自分の意に反して煙草の煙を吸わされる受動喫煙が問題視されることとなる。

気相と粒子相

気相:フィルターを通過してしまう気体成分。
   一酸化炭素、窒素酸化物など。

粒子相:フィルターで捕捉できる程度の大きさの粒子成分。
    ニコチン、タール、ヒ素など。

有害物質

たばこの煙には現在分かっているだけで、4000種類以上の化学物質が含まれていることが判明しています。
そのうち有害であることが分かっているものだけでも200種類をこえています。
なかでも、ニコチンタール一酸化炭素が三大有害物質といえます。

 ママ・ニコチン・一酸化炭素・タール

たばこ一本中の主な有害物質

有害物質名

主流煙 副流煙

発癌物質

(ng/本)

ベンゾ(a)ピレン 20〜40 68〜140
ジメチルニトロソアミン 5.7〜43 680〜820
メチルエチルニトロソアミン 0.4〜5.9 9.4〜30
N一ニトロソノルニコチン 100〜550 500〜2750
ニトロソピロリジン 5.1〜22 200〜380
キノリン 1700 18000
メチルキノリン類 700 8000
ヒドラジン 32 96
2‐ナフチルアミン 1.7 67
4‐アミノビフェニール 4.6 140
0‐トルイジン 160 3000

その他の
有害物質

(mg/本)

タール(総称として) 10.2 34.5
ニコチン 0.46 0.27
アンモニア 0.16 7.4
一酸化炭素 31.4 148
二酸化炭素 63.5 79.5
窒素酸化物 0.014 0.051
フェノール類 0.228 0.603

厚生省編:喫煙と健康問題に関する報告書第2版より改変

ニコチン

 たばこの煙の粒子相に含まれているニコチンは精神作用をもつ物質で、また「毒物及び劇物取締法」に明記されている毒物でもあります。
ニコチンの作用は脳(中枢神経系)のほかに、胃の収縮カを低下させ、吐き気や嘔吐を起こしたりします。
 また心臓・血管系には急性作用があり、血圧上昇、末梢血管の収縮、心収縮力の増加などがみられます。
 体内に吸収されたニコチンは代謝され,コチニンなどになります。
 ニコチンは有害物が入らないように設けられた脳の関門を容易に通り抜けることができ、脳内の報酬系(脳に快楽をもたらす部位)に作用することがわかっています。
このことがたばこ依存につながるものと考えられています。
 ニコチンの毒性は青酸に匹敵するといわれており、中毒量は1〜4mg、致死量は30〜60mgです。
 1本のたばこには10〜20mgのニコチンが含有されており、個人差もありますが、喫煙一本あたり3〜4mgが吸収されます。
 急性ニコチン中毒のほとんどが、乳幼児のたばこの誤食により起こっています。乳幼児の場合、致死量は10〜20mgですから、1本のたばこを誤って食べてしまうと死亡する可能性があります。

一酸化炭素

 たぱこの煙の気相に含まれている一酸化炭素は、血液中のヘモグロビンと結合するとカルポキシヘモグロビンになります。
 へモグロビンは身体のすみずみに酸素を運ぷ仕事をしていますが、一酸化炭素とヘモグロビンの結合は酸素の240倍と強力なため、一酸化炭素が体内に入るとヘモグロビンの酸素運搬能力を低下させ、全身的な酸素欠乏を引き起こします。
 1本のたぱこの喫煙でカルポキシヘモグロビンはl〜2%増加するといわれています。その分、酸素欠乏を招いているわけです。
 たぱこの煙の一酸化炭素により、虚血性心疾患、末梢動脈疾患、慢性呼吸器疾患、さらに妊娠時の胎兄への影響などが心配されます。

タール

 喫煙時に生ずる夕一ルは有機物を熱分解した際に生まれるものですが、その中にはベンツピレンなど数多くの発がん物質が含まれています。
 すでにわかっている発がん物質の多くはDNAを直接障害するものです。夕一ルはとくに呼吸器系の疾患やがんと関係が深いと考えられています。


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