
誰もが知っていて誰もが使ったことがある別れの挨拶である。「さよなら」と「う」を省くこともある。しかし最近では頻繁に使う言葉ではなくなってしまったようだ。最後に「さようなら」を言ったのはいつだったか思い出して欲しい。
元々は「左様ならば失礼して〜」といった古い言いまわしの名残である。現代的に表現すれば「それじゃ〜」といったところか。古い言いまわしの名残ということでは「おはよう」や「こんにちは」も同様であり、これらは現代でも日常の挨拶である。しかし「さようなら」は少し状況が違ってきている。
「さようなら」は既に日常的な挨拶ではない。例えば恋人に「さようなら」と言われたらそれは恋の終りを意味し、野球で「サヨナラ」と言われたらそれは9回以降の裏の攻撃中に試合が終ることを意味している。このように「さようなら」は本来の「左様ならば」の意味を離れ、深刻な別れを意味する言葉と化しているのだ。
では最近では別れ際にどんな言葉を使っているのか。「お疲れ〜」「それじゃ〜」など、従来の「左様ならば」に近い表現が一般的である。因みに私が最後に「さようなら」を言ったのは小学校の低学年の頃だった。授業が終り児童全員で声を合わせて「せんせえさよおなら」と言ったのが最後である。