
昨夜お世話になったのは斜里郡清里町の風景画という宿です。 ご主人が脱サラ後に手作りで立てたというロッジ
は、木をふんだんに使い工夫いっぱいの建物でした。 宿の目の前に斜里岳が雄大な姿が広がっています。 玄関前
の宿犬ムギちゃんに挨拶をして6時に出発しました。とても控えめなワンちゃんで、目は控えめに散歩を期待していた
んでしょうけれど静かに見送りをしてくれました。

昨夜は宿の到着したあと雷雨になりましたが、すっかり良い天気になりました。 宿を出発して周辺を一回り。道東を
走っていると離れた場所からでもその勇姿を楽しませてくれる斜里岳ですが、清里からはすぐ目の前に見ることがで
きます。 北海道ならではの開放気分をじっくり感じさせてくれました。

右手に斜里岳、正面に知床連山のひとつ海別岳(うなべつだけ)を見ながら根北峠に向かいました。

峠に向かう国道244号沿いにある旧国鉄のコンクリート製の越川橋梁。 戦時下の昭和14年にに建設されたものの
根北線の延長区間とした開通しなかった歴史遺産として残されています。

国道244号は車の通行量は少なく、手つかずの支流と原生林を眺めながら根北峠に向かいます。
根北峠(487m)到着。 展望はなにもありませんでしたが、天気が良かったので青空を見るだけでも満足できました。
知床峠が工事中だった31年前の夏に標津側からランドナーで越えたとき以来になります。 カーブごとにトラックの荷
台からばらまかれていた魚たちが印象に残っています。 知床峠についてユースで聞いた話では、昼は発破を使って
工事が進められえいるので夜間に越えた人がいるということでしたがホントだったのでしょうか。

標津側を10kmほど下って地方道に入り、開陽台に向かいました。 道東のよいところは、国道に並行して整備された
地方道がたくさんあり、道路を独り占めして走ることができることです。 開陽台に向かう前に予約しておいたすぐ近く
の宿の地平線に荷物を預けました。

宿から開陽台に向かう途中にある北19号線の直線道路。 この規模の直線道路は道東のあちこちにありますが、こ
こが特に有名なのは、開陽台という名所の近くにあることからなのでしょう。
北19号線から開陽台に向かう道は激坂です。 宿に荷物を預けて空身で登りましたが、推定15%の勾配は無理を
せず途中から自転車を押して登りました。

牧場を見ると、思わず笑ってしまう風景が広がっていました。斜面にアリンコみたいに小さく見えるのたくさんの牛たち
がのんびり草を食んでいました。 道東を走っていると牛を間近に見ることはいくらでもありますが、この距離感で牛を
見ることのできる場所はそんなに多くないのではないでしょうか。

展望台の建物にあるカフェで、はちみつチーズドックとアイスクリームで補給完了。

展望台から広がる大パノラマ。知床方面から国後等、根室半島、釧路、雌阿寒岳や雄阿寒岳、など、ぐるっと見渡せ
る景観はすばらしいの一言です。 丸く見える地球もすごいですが、道東の広い牧場と防風林も見ごたえがあります。

時刻はまだ15時を過ぎたところ。 これだけの快晴に遭遇することもめったにないと思い、夕日まで 展望台の周りに
ある牧場の遊歩道をのんびり散策してみました。

ちょうど太陽と雲が重なり、きれいな日没は見られませんでした。 振り返ると武佐岳が赤く染まっていました。

宿の「地平線」に戻り食べきれないぐらいの夕食をいただいた後、ご主人の車で他のお客さんといっしょに再び開陽
台に連れて行っていただきました。見上げると 関東ではまず見ることができない素晴らしい星空が広がっていました。
15kmほど先に中標津市街がありますが、それでもこれだけの星空。 時間もまだ19時過ぎです。 深夜になったら街
の灯りも消えてさらにたくさんの星が見えることと思います。 宿のご主人によると年に数回、開陽台の下に雲がかかっ
て街明かりがちょうど遮断されたときは、最高の星空になるそうです。
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