2010.1.2
年頭所感:黄金比 柿ピー編

 昨年の師走から正月にかけて、晩酌のおつまみに柿ピーが流行っている。
晩酌といってもビール125ml缶のささやかな楽しみである。以前はポテトチップがやめられない状態だったが、中性脂肪の採り過ぎを気にしていろいろ試してみたあげく、柿ピーに辿りついたのである。125mlにちょうど適量なのが、小袋6個をワンパックにした柿ピーである。おつまみとビールの量の関係から言っても柿ピーの塩けと唐辛子の加減はなかなか絶妙である。 そして柿ピーと言えばどうしてもこだわるのは柿の種とピーナッツの比率である。今日はそれを数えてみた。手元にあるメーカーは "TOPVALUE印" というのだが、小袋に柿の種80粒、ピーナッツ20粒であった。ついでにネットで検索してみるとメーカーによってまちまちだそうで、亀田製菓は現在6:4とのこと。ピーナッツが40%というのはちょっと多い気がする。小袋柿ピーの良さは、袋から指でひと粒ずつ摘むので柿、柿、柿、ピー、柿、柿、柿、柿、ピー・・・・・・という具合にたまに訪れる幸せのゆらいだリズム感にあると思うのだ。カレンダーのように毎週日曜日とたまに祝日が混ざってくるような飛び石のようなゆらぎである。やはり6:4では休日の有り難みは湧いてこないというものだ。
 そして柿ピーのもうひとつの幸せは、柿の種とピーナッツのハーモニーにある。カリッとした食感とグリッとした硬軟ほどよいバランス。二つの食感のハーモニー。これは全く音楽も同様である。金属弦のハンマードダルシマが柿の種だとするとナイロン弦の箏はピーナッツに相当する。この二つの楽器をユニゾンで演奏するとこれがいい音なのだ。この組み合わせは良く使うのであるが、理屈ではない、私の試行錯誤の産物である。いや、食の世界を見れば二つの食材をいっしょに混ぜるのは遥かに歴史は古いようだ。大福の豆や佃煮の中に入れる松の実や胡桃、等等。七味唐辛子などは贅沢の極みかもしれない。○○の後に△△を食べると××の味がすると言うが、"味覚力"というのは素晴らしい。
 まだまだ音の世界は食の世界に比べればヒヨッコなのかもしれない。今年も未知なる音色の組み合わせを探求してゆく所存である。

柿ピー

ハンマードダルシマ


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