来生史雄 電脳書斎 |
このページは、NHK教育テレビで1997年に放送された小学校高学年向け道徳ドラマ 「虹色定期便」の原作にあたる「プロジェクト・エデン」について綴られているものである…。 諸氏によって指摘されているように、テレビ放送版と原作は大きく異なっている。 あくまで原作は原作として、皆様に楽しんでいただければ…と思っている。
尚、「プロジェクト・エデン」は小学館刊行の「小6教育技術」で連載された。 連載期間は1997年4月から、1998年3月まで。 基本的にはテレビ放送とリンクして書かれたものではあるが、作者のこだわりにより、 放送内容とは大きく異なった展開となっていった。(が、それはそれでいいのだ!) 8月号は話題となった「夏の特別篇」であり、一般的には外伝と呼ばれている。
全12回の連載とは別に、コミケに参加したファン用に書き下ろしが一つ存在する。 これは番組企画段階で諸処の事情により、ボツとなった「狙われた街」である。 ページ数の制限から解放された作者が好き放題に書いたために、原稿換算200枚を 超えるものとなってしまっている。
人間には、幸せを望む二つの心がある。 「悩みも苦しみもせず、ただ人の言葉どおりに動いていれば、それはそれで幸福である」 「悩み苦しんでも、自分の信じる未来に向けて努力し続けることが、本当の幸福なのだ」 悩み苦しむのが幸福なのか? 悩み苦しまないのが幸福なのか?
近未来。世界は「幸福」という名の危機に瀕していた…。
人々は悩みも苦しみもしない代わりに、無気力化し、明日への活力を失っていた。
この原因を作ったのが、人間の心に感染する「キルケウイルス」であった。 ウイルスは、人間が悩み苦しんだ時に、その辛い状態からの逃避を考えてしまったら 感染する特性を持つ。 そして感染した人間は無気力化を促進し、やがて非生産的な行動へと暴走してしまうのだ。 未来はこのウイルスによって人類の99%が死滅、残った人々も無気力化してしまっていた。 そのような人々を一部の免疫保有者たちは「管理」し、悩みも苦しみも無く、 争いも起きない幸福社会、「ミレニアム帝国」を築き上げていた。
そのような社会を否定する一部の免疫保有者はレジスタンスを結成、未来を救おうとしていた。 その一人「アスラ」は、全ての原因となったキルケウイルスの感染源を消滅させるために、 たった一人で感染爆発の起こった1997年の日本へと旅立つ。
現代へ着いたアスラは、そこで出会った「中山忠夫」「中山唯」の兄妹に協力を求め、 共に「キルケウイルス感染源」を探すことになるのだが…。 すでに現代でも、キルケウイルスによる不思議な事件が続発していたのである。 彼らを治療するには、特殊なワクチンを使用するしかない。 だが、そのワクチンが効果を発揮するには、 「感染者の心を解きほぐし、生産的な志向に変換させねばならない」という条件があった。 心と心の対決という困難な戦いを強いられることになったアスラや忠夫たちは、大変な苦労を 味わいながらも、現代の不安定な子供たちの心理に触れていくのだった。
一方、未来の安寧を維持しようとするミレニアム帝国も、アスラの行動を阻止すべく、 フレイヤ中佐を指揮官とする追手を1997年の世界へと差し向けていた。
ここに、未来の運命を賭けた闘いが始まるのである…。
ここでは「特別篇」という形で、「プロジェクトエデン」の新作を紹介しています。 小学館で連載されたストーリーでは書ききれなかったハードさと重厚なテーマ、 さらにはコメディタッチも含めて、お楽しみください。
諸処の事情によって、NHKでは制作中止になった幻のストーリー。 キルケウイルス消滅のために、虹ヶ崎市全市民の心を破壊しようとするヘイムダルが 20世紀へとやってきた。恐るべき心理破壊装置「トールハンマー」の起動までに残さ れた時間は、たったの3日間。アスラたちは、ヘイムダルの陰謀を阻止できるか?
「大きな目的のためには、多少の犠牲はやむを得ない」という少年SFには欠かせない テーマに真っ向から挑戦したサスペンスです。
当ホームページの目玉連載(?)となりつつある原作者自らによるパロディ版。 ロキが30世紀へと時空転送した「タコヤキ」を再生しようとしたことから、全ての歯車が 狂い出してしまった。タコの細胞から生み出された巨大怪獣「タコラ」が、平和な帝国 を恐怖のドンゾコへと叩き込む。帝国の治安を任されているフェンリルは…?
暴走しまくっているストーリーをどう収拾するかに全てを賭けている迷作…。
ネオ道徳ドラマの第一作となる「きっと明日は」と「エデン」がついに融合。 ちなみに「きっと明日は」とは、山梨県の鹿間村という寒村に左遷された新聞記者の 高沢堅吾と、小学5年生の娘「瑞記」との生活を軸にしたホームドラマ。 で、今回は…。 虹ヶ崎市でしか発生しないはずの「キルケウイルス感染」が、山梨の山中で発生。 事件を報道した高沢と共に、アスラは事件解明に乗り出すのだが・・・・。
来生お得意のサスペンスホラーを凝縮した作品。 日本独特の村思想に一石を投じるテーマになる・・・予定です。
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