電装系徹底メンテナンス(中編)
当サイトをご覧になられたY様からのご依頼により,青森県から直送いただいて手がけたトーカイのレスポールモデルのメンテナンスから,電装系の作業を抜き出してご紹介。
Last Update:
13.May.2001
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電装品の心臓部ピックアップ。見ればホコリとサビでかなりくたびれており,コイル周囲の布テープは腐ってボロボロ。そっくり交換してしまえばいいかもしれませんが,やはりサウンドに大きく影響する部品なのでできればなんとか再利用したいところです。
まずは分解。ただし,ここで注意することがあります。左写真の上部に置かれているマグネット(穴の開いていない方の金属)の取付け方向を必ず覚えておかなくてはなりません。1ピックアップのギターでは問題ありませんが,2つ以上のピックアップを搭載したギターの場合,万一1つのピックアップの磁極が逆になるとミックスした際に逆位相となって大幅に音色が変化してしまうのです。
ブラス製のベースプレート。これもサビでボロボロです。
金属磨きは得意中の得意(笑)。金属磨き剤でピカピカに磨き上げました。

ボールピースのネジ。これもサビで真っ茶色。目に触れる部分なのでこれも徹底的に錆落とし。かなり頑固なのでまずはCRC5-56を吹き付けた上でワイヤブラシを使って粗サビを落とし,金属磨き剤でご覧のとおり新品同様までによみがえりました。

もちろんコイルボビンや固定ボールピースの端面等もきれいに磨いたのち組み上げます。
どうです!最上段の写真と同じピックアップとは思えないでしょう。あとは腐った布テープに代わり,衣裳係がちょうど在庫で持っていた布テープを分けてもらいコイル外周にきっちり巻いて出来上がりです。
フロント,リア共に仕上がったら本体に組み込み。しかし焦ってはいけません。レスポールの場合はピックアップキャビティ内にPUセレクタのの配線も通るのでこちらも取付けましょう。
トーカイのこのモデルのPUセレクタは接点劣化を防止するためか金属ケースに密封された高級品が使用されているためメンテ不要。普通のセレクタであれば接点洗浄剤で洗浄してから再取り付けします。PUセレクタは特殊なナットで固定されているので今回は専用の特殊工具で取付。ペンチやプライヤでも代用できなくはありませんが,ナットがガリガリになってしまうことは避けられませんし,滑ってなかなかガッチリ固定できません。
続いてはいよいよコントロールキャビティの配線作業です。
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