電 気工作や機械いじりが大好きだった私にとって，ギターやベースを弾き始めた理由というのは，その楽器自体の仕組みに興味を持ったことからでした。最初はた だの「器具」という認識しかなかった楽器たちに出会ってゆくうちに何か愛情のようなものが芽生え，やがて自分の手でもっと磨きあげてやりたいという欲求に かられるようになったのです。

ある日，某・一流のリペアマンから聞かされました。「量販されている楽器は，メーカーで決められた統一の基準で検査し調整されてる。でも，ホントは１本１本に合ったそれぞれの基準があるんだ。普通に売られているほとんどの楽器は，言うなればまだ未完成なんだよ」。この言葉は私には充分すぎるほど衝撃的でした。

見回してください。あなたの回りでホコリをかぶっている楽器たち。「せっかく買ったのになぜか弾きにくくて」「これ，ハズレ品じゃないのか」「壊れちゃっ たから新しいのを買おっと」・・・。いやいや，ちょっと待ってください。ほんのちょっぴり愛情を注ぐだけで見違えるような楽器に生まれ変われる可能性が残 されているんです！ぜひ一度，ダメ元で手をかけてみてやってください。

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