PB2400c・ちぎれたフィルム基板の復活劇
Feb.2000
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トラックパッドが使用できないという知り合いのパワーブック2400c。確かにカーソルがまったく動かず,クリックもできません。外部にマウスを接続すれば使えることからどうやらトラックパッド自体の故障と思われます。となると,秋葉原に出かけてトラックパッド単体を買ってきて交換すれば済むわけですが,とりあえず分解してみることにしました。 PB2400c

ちぎれたフィルム基板 開けてビックリ!なんと,トラックパッド基板とロジックボードを結んでいるフィルム基板が途中でちぎれているではありませんか!これではカーソルが動くはずもありません。完全に修理するにはこのフィルム基板を交換するしかなさそうです。しかし以前,自分のパワーブックの液晶用フィルム基板が断線したときの経験によれば,この手の部品は非常に高額です。なんとか手元の材料で直せないだろうか。

フィルム基板をよく見ると内部の配線はどうやら5本のみ。要はこれらを全部つないでやれば電気的には直るはずです。フィルム基板は構造としてはフィルムベースに銅箔をラミネートしてコーティングしただけのものですから,この銅箔同士を結ぶことを考えればいいわけです。まずはちぎれた両端を目の細かいサンドペーパーで削りながら銅箔を露出させました。
ここからは目が痛くなるような細かい作業。ちぎれた基板同士をぴったり合わせて裏側から粘着テープで仮固定し,露出した銅箔同士を1本1本ハンダ付けでつないでゆきます。なにしろ細かい作業で,ちょっとハンダを盛りすぎると隣とショートしますし,盛りが足らないと強度も不足します。3回ほどのやり直しを経て,右写真のようなハンダ接続が完成しました。

復活したトラックパッドを本体に仮接続して動作試験。無事,パッドもクリックも使用できるようになりました。部品交換していればおそらく数千円はかかっていた修理がなんと0円。やってみるものですなぁ。
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