祟りか!?ミシンの怪
Jan.2000
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何かの祟りだろうか!衣裳係の所有する職業用ミシンに不思議な現象が発生。電源を入れた状態で放置しておくと,なんと突然勝手に動き出すのだ。動きは超低速であるものの,確かにドロロロと針が上下動を始めるではありませんか。

原因はどこかにあるはず。早速疑わしき部分を調べることにしました。通常ミシンを動かすために操作するのは左写真のフットペダルです。勝手に動き出すとあればここに問題がありそうです。とりあえず分解して内部を見ることにしました。が,いざ分解しようとしても外部にネジひとつ見つかりません。プラスチック製のペダルの部分を外せば内部にアクセスできそうなのですが・・・。隙間から覗きながらペダルの取付方法を調べてみたところ,どうも単に本体にはめ込まれているだけのようです。

ここは力技の出番。マイナスドライバーを使って少しずつこじ開けていくと最後にパカっとペダルが外れ,問題の内部が表にさらされました。見ればかなりのホコリ,糸くず。まずはハンディタイプの掃除機で清掃。

想像していたとおり,中身は楽器で使うボリュームペダルとほとんど同じ構造です。ペダルの踏込み量に応じてスライドボリュームが動く仕掛けです。この抵抗変化によりミシン本体がスピードをコントロールしているわけです。このボリュームという部品は,特に直流信号で使用した場合,普段静止している位置の抵抗皮膜が劣化しやすいという特徴を持っています。ということはペダルを上げた位置,つまりミシンを停止している位置の抵抗皮膜が痛んで抵抗値がフラフラと変化し,その結果,突然動き出すという現象が発生しても不思議ではないわけです。

となればやることはひとつ。バカのひとつ覚えの接点洗浄剤の登場です!スライドボリュームの内部に接点洗浄剤を吹き付け,何度もつまみをスライドさせて抵抗皮膜の接触を回復させます。あとはパコンとペダルをはめ込んで完成。結果は上々,ペダルを上げた状態で放置しても微動だにしないミシンに戻りました。接点洗浄剤,これは一家に1本の必需品ですよ。

<後日談>
以前ほどの頻度ではないにしても,また時々動き出すようになりました。今度はホントに祟りなのか(苦笑)。

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