会社の備品も修理だ!
Apr.2000
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会社の備品であるテプラ。聞けばしばらく前からACアダプタが使用できず,ずっと電池で使っているとのこと。こいつは熱転写式の印字方式なのでヒーターにかなりの電力を使うため電池の消耗も激しい部類。過酷な日常業務での使用にはACアダプタは欠かせないものです。しかし,しょせんは会社の備品。修理にでも出せばいいのですが,あろうことかふとしたことからこのホームページの存在を同僚に知られてしまったため「おーしまさんなら直せそうだからお願いします」ってなことになり持ち帰ってきました(^_^;;。
ACアダプタには異常がないとのことだったので考えられる原因はおそらく本体側面のジャック側にありそうです。分解は細いビス5本で無事完了。やや噛み込みがきつかったものの案外簡単にバラすことができました。

問題のACジャックを見たところ明らかに強い力で押し込まれた形跡がありました。ジャックの端子が後ろ側に押されて変形していることがわかりますね(左下写真の矢印)。さっそくハンダごてとハンダ吸取器を使って丁寧に取り外します。
すると,なんと驚いたことにACジャック背面の端子がポロっと落ちてしまったではありませんか!強く押し込まれているうちに端子根本が金属疲労を起こし,亀裂が入ってちぎれてしまったのでしょう。

こうなったら方法は2つしかありません。ACジャック自体を交換してしまうか,このジャックをなんとか直して使えるようにするか,いずれかです。しかし,交換となれば,秋葉原にでも出かけて同型のパーツを探してこなくてはなりません。会社の備品である以上,明日またすぐに誰かが使うかもしれないという状況を考えるとこのジャックを直すしかなさそうです。要は背面のちぎれた端子に代わるものを取り付ければいいわけです。今回は,強度も考慮して1.2mm径の錫メッキ銅線を使用しました。このままでは径が太すぎてプリント基板の端子穴に入らないため,メッキ線の端部をハンマーで叩き,平たく加工して本来の端子形状に似せることで対処しました。
加工した錫メッキ銅線をジャックの背面にハンダ付けし,他の変形した端子を元の形状に戻した上でプリント基板に再びハンダ付けして完成です。結果としては以前の端子より太く頑丈になったのでよかったのかもしれません。ただ,ジャック本体のプラスチックハウジングにガタがきているため,近い将来にはジャックの交換も考えておく必要がありそうです。
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