2014.1.1
年頭所感:未来予想図

 昨年も、原発問題、東京オリンピック決定、台風災害、アイソン彗星などなど、いろいろな事があった。
未来予測をしてみようと思うのだが、ここ数年来、頭の中を往来するのは、あちらを立てるとこちらが立たないという”双対問題”である。
物事の見え方は立ち位置を変える毎に変わるのものだが、本質はなかなか見えない。 未来予測をする際の手掛かりとなるのは過去から現在までの実績データである。頼れる物はこれしかない。
双対というのはなかなかイメージし難いが、数学で言うところの双曲線である。

 図1に示すのは中学で習う Y=aX なる単純な直線である。
一方、図2に示すのが双曲線である。式で書くと Y=a/X である。
両者の意味するところは中学の授業で教わった記憶が無いが、どうもこれは物事の見方を示しているらしい。
例えば、自動車を速く走らせるほど燃料消費量(リッター)は大きくなる。これは見方を変えると、速く走るほど燃費=リッター当りの走行距離は少なくなるという具合である。

 図1を見ると、過去から直線的に経過してきたなら未来予測も外れまい。図2を見ると、ここ数年で物事はだんだん収まってきたようだ。双曲線というのはXを逆数にしたものだが、物事をひっくり返して見たらということらしい。であるから良い事は末永く直線的に増えていって欲しいし、悪い事は直線的に早く収まって欲しいものである。しかしながら直線的な物事がひっくり返してみると曲線になるのは不思議だ。実際に世の中の様相は直線でないことは中学生でも知っている。ただ、悪い事が曲線的にだんだん収まってくる様相を見せられると、なんとなく現実っぽい。このひっくり返して見るという態度が大事な気がする。

図1.

図2.

 さて、次に図3だが、直線的に物事が変化してきたのではなく、年数の経過と供に加速度的に増えてきた。恐らく大気中のCO2の量などもこうした様相で増えて行っているのであろう。未来予測もこのまま増え続けると見るのが妥当であろう。
で、これを図1と2の関係に倣ってひっくり返して見たのが図4である。この図4を先に見せられたら、こんな予測をしてしまうかもしれない。線を延長してみると、BはAに比べ収まりが悪いが、途中でAを逆転しそうである。いつかBに乗り換えようか? この予測は正しいであろうか?

図3.

図4.

 もし図5、6のような様相だったら?。結局AとBの優劣は変わっていない。図4で線を延長したのは希望的観測のなせる技かもしれない。やはり物事は正逆の両面から見ておいた方が良さそうである。

図5.

図6.

今年の目標:
1.物事は正逆ひっくり返して見てみよう。
2.グラフを見せられたら、意図的に示したものかもしれない。鵜呑みにせずに疑ってかかることにしよう。

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