2024.1.1
年頭所感:元気なタンパク質とそうでないタンパク質

 ここ数年来のライフワーク・テーマである双対性だが、一昨年はランダムとは何か?、であった。
筆者は2021年にとある疾病で入院したのだが、それ以来、毎月血液検査で血中のタンパク質の状態を監視している。基礎知識として、
・タンパク質は20種類のアミノ酸が無数に鎖のように繋がったもので、様々な働きをするタンパク質毎に、固有のアミノ酸配列がある。
・DNAには作られるべきタンパク質のアミノ酸配列=設計図が記されている。
・細胞内のリボゾームは設計図に従い、規則正しくアミノ酸を繋げてタンパク質を生成している。
主治医の説明によると、
・タンパク質には鎖の種類に因って通称、重鎖と軽鎖があり、軽鎖の中にはアミノ酸の配列が間違った不良品が僅かながら含まれている。
・不良蛋白質が出来てしまう要因には、DNAがRNAに転写される際のコピーエラー、及び何らかの要因で物理的に鎖が切れてしまうものが考えられる。
・軽鎖が増えると様々な症状を発症させるので、重鎖と軽鎖の比率を監視する。
・不良蛋白質を生産してしまう細胞があればその増殖を阻害する薬を服用する。

 初めてこれらを知らされた時、思い出したのは「タンパク質の音楽」であった。
これはフランスの物理学者、Joel Sternheimer博士の研究によるもので、タンパク質に限らず万物は振動しており、リボゾーム内で生成中の鎖にしかるべきアミノ酸がしかるべき順番で結合する度に共鳴現象が起きている、というものである。
20種類のアミノ酸の組み合わせでタンパク質は数千万種類あると言われ、個々のアミノ酸配列を記した設計図は20種類の音符を繋げた楽譜に喩えられよう。
音楽は一般的にはピアノの鍵盤を見れば判るように1オクターブの中に12音が並んでいる。この地球上に生まれた音楽は全てこの12種類の音を繋げて出来た鎖のようなものである。

 さて、アミノ酸の配列が間違った不良品は厄介だが、力学の双対性から見て次のような仮説を立ててみた。
まず、力学の双対性に関する基本的な見方は、以下の通りである。
・原子、電子のような物質の最小単位であっても点ではなく長さを持っている。
・水ヨーヨーのように柔らかく伸縮しており、力学的にエネルギを蓄えている。
仮説:
・タンパク質はコピーエラーを除けば原子配列は100%同じ品質である。
・しかしながら同じ蛋白質でもアミノ酸分子単独やそれを迎え入れる生成中の鎖は伸縮しているので、結合するタイミングによって蓄えるエネルギが異なる。
というものである。
物質の最小単位を扱う従来の量子力学や素粒子論では完全剛体=伸縮しないものとして扱って来たが、近年少しづつ軟化が見られるようである。
これは丁度、多人数でする縄跳びで、おはいんなさい、さあどうぞ のタイミングが悪いとそれまで調子よく跳んでいた皆のリズムが崩れ、最悪、引っかかって止まってしまう様相に喩えられる。
そうすると同じ原子配列のタンパク質でも、勢いよく伸縮していれば蓄えられるエネルギは高く、伸縮が弱ければ低い。
生命体の中では元気なタンパク質とそうでないタンパク質が多様に混在していると言えるかもしれない。
元気のないタンパク質は元気なタンパク質の足を引っ張り、その総体=重なり合いが体調〜いわゆるバイオリズムとなって現れる。

 昔はパソコンでクリックをしても反応が無かったり固まってしまう事が偶にあったが、最近はリトライのアルゴリズムが改良されたのか?頻度は減ったようである。
パソコンに限らず電子機器は非常に高い周波数で電気信号が振動しており、クリックが入るタイミングによっては百発百中とはいかないらしい。
そういう偶に起きる”事故”によって体調が変化したり、アミノ酸配列が間違った不良品が出てくると考えて見よう。
ただ、それが気になってストレスになってしまうとそれがまたバイオリズムを狂わせてしまうかもしれない。
病は気からと言うが、経験的に気分転換は良薬である。
タンパク質を元気にするには好きな音楽を聴くのが良いと感じているので、今年もタンパク質の元気を整えて行こうと思う次第である。

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「タンパク質の音楽」を読んで

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