2021年11月21日

パソコン日記(2021)




1997年からはじめた身の回りのコンピュータ全体の日記コーナーです。

仕事でソフトウェア開発をやっているので、仕事も趣味もコンピュータです。 そんな生活の中で起こったことや気づいたことを紹介します。
毎日書いてるわけではないのですが、のらりくらりと続いています。

特定のテーマで独立したページを書くのは結構大変なのですが、日々の出来事を エッセイ風に書くのはかなり楽なので最近はこちらばかり更新しています。

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2021/11/21(日)

ファン 5V給電で静音化!

ファンレスヒートシンクで省電力CPUをオンボード搭載したBIOSTAR J4105NHU を用いた小型PC作成の記事を11月3日に掲載しました。
そのPCで6cmケースファンを使用すると爆音PCになってしまったことも掲載しました。
このマザーボードはファンコントロール機能がなく、 温度によってファンを停止したり回転数を上げ下げしてくれません。 常にフル回転になります。
これを静音化したく工夫してみました。
本来12Vのファンへ5Vを給電できる変換ケーブル XC-FM4P (税込452円)を購入し、5V でファンをドライブするように挑戦してみました。

図11/21-1 電源4pinからのファン5V変換ケーブル
図11/21-1 電源4pin からのファン5V変換ケーブル

5インチサイズ内蔵周辺機器用の4pin 電源コネクタは12V(黄色)と5V(赤色)の線が出ています。
購入した変換ケーブルはファン用の12Vを2個、 5Vを2個、合計4個に分岐してくれます。
電源からの直接給電になるので、 ファンの回転数はマザーボードから見えなくなります。

12Vファンを5V 給電で使用する場合、起動時の電力不足で回転しないファンもあるそうです。 私の場合は大丈夫でした。
使用ファンはAINEX(製造はADDA) の薄型超静音タイプ(?)のCF-60SSです。

このファンのスペックはDC12V, 0.11A,3500rpm, 11.7CFM, 23.0db 簡易流体軸受けハイプロベアリング構造です。
15年前に購入したもので、2013年1月に出荷完了となっているようです。

5V化により、指をかざすと風は感じられますが体感風量は激減しました。
騒音はBDレコーダ(最近はうるさいので、ひと昔前ぐらいの) などの家電製品レベルになり、 とても満足な静音化を達成できました。

一番最初、PCを組み立てた時はケースファン無しでCPU温度は 56℃でした。
ファン12V給電ではCPU温度が43℃ (室温24.5℃)でした。
ファン5V給電にすると、今回は室温が23℃ですが、CPU温度が 44℃になりました。
電源を入れ、時間がたって温まったころの無負荷(ほぼCPU 0%)時の温度です。
密閉度が高いマンションに住んでて冬も暖かく暖房いらず、 自然の温度なので部屋の場所による室温ムラはほとんどありません。
つまりPC周辺だけ気温がもっと低いということはありません。

私も数字がおかしいのでは? と思ってます。 風量が激減したのでCPU温度はもっと高くなりそうです。
CPU温度はマザーボードのDVDに入っていたBIOSTARのTemperatureMonitor で計測した値です。
12Vの時は無駄に空気をかき回してただけなのでしょうか。
あるいはケースファンを使用してもこれ以上下がらないCPU ヒートシンクの性能限界があり、それが43℃ぐらい、 これでカンストだったのでしょうか。
前回の測定後、今回は2021年11月のWindows11 パッチがあたってる違いもあります。

有限会社長尾製作所

今回使用した4pin ペリフェラル電源コネクタからファン用5V を分岐できる変換ケーブル、製造販売元は川崎市にある有限会社長尾製作所 (http://www.nagao-ss.co.jp/)さんです。
マザーボードむき出しのオープンフレームやマイニングフレーム、 X6800復刻筐体(試作)、ラズパイケース、 M.2 SSD冷却ヒートシンク、VESA サイズ変換プレート、 OEMファンなどユニークでスマートな製品を製作なさっているようです。
ファンつながりでファンになりました(^^)

2021/11/14(日)

CentOS Stream へ移行

CentOS Linux 8 は2021年12月31日にEOL(End Of Life)を迎え、 パッケージ更新版公開などの開発が終了します。
(CentOS Linux 7 のEOL は8より長く、2024年6月30日になります。)

CentOS ブランドの無料Linux の開発が完全に終了すると思ってたのですが、 そうではないようです。
「CentOS Linux」 は終了するのですが、それとは別のプロダクト、 「CentOS Stream」を今後メインにしていくということらしいですね。

名称からLinux という文字列が消えますが、CentOS Stream はLinux ディストリビューションです。
従来のCentOS Linux はRed Hat Enterprise Linux(RHEL) からOSS部分のみを取り出してビルドしていたので、RHEL の最新版より少し遅れて公開される安定したディストリビューションでした。
CentOS Stream はRHEL に入れる更新を事前に試験的に投入していく位置づけ、RHEL のリリース候補版のようなものみたいです。

以上の情報は
CentOS の公式サイト (https://www.centos.org/)に記載されています。
Red Hat の森若さんのブログ (https://rheb.hatenablog.com/entry/centos-stream-intro) では日本語で詳しく解説されています。


2029年まで継続されるはずだったCentOS Linux8 を使用していて、EOL が2021年12月31日に変更されてしまい、困っている人が多いと思います。
1つの選択肢として、 CentOS Linux からCentOS Stream へ移行はできるようです。
その方法は https://www.centos.org/centos-stream/に記載されていて、管理者権限で次のコマンドを実行とのこと。

dnf swap centos-linux-repos centos-stream-repos dnf distro-sync

dnf はyum の後継コマンドですね。
私の環境でやってみたところ、1179個のパッケージが更新され、CentOS Stream へ移行できました。


2021/11/07(日)

Windows11 とLinux をデュアルブートしてみたい

Windows11 をセットアップ完了したPC のセキュアブートを無効にしてもWindows11 は起動できることを確認できました

セキュアブート機能がないとインストールできないWin11 をインストールできたのに、 なぜセキュアブートを無効にするのか。これには理由があります。
セキュアブートに対応していない別のOS を別のパーティションにインストールし、 デュアルブートできるようにしたかったからです。

最近はCentOS をよく使っていたので、 今回はセキュアブートに対応していない Slackware Linux(http://www.slackware.com/) を久しぶりに別パーティションにインストールし、 Win11 とデュアルブートできることを確認してみました。

インストールするPC は 11月3日に掲載したCeleron J4105 省電力PC です。
わかりにくいかもしれませんが、以降の記事では3台のPCが登場します。

PC ASlackware をこれからインストールするPCです。Windows11 はもう入ってます。
PC BWindows10 が入った作業用のPCです。
PC CCentOS Linux 8 が入った作業用のPC です。

準備はPC Bだけで全部やりたかったのですが、途中で行き詰ってPC C で問題を解決しました。
最初から全部PC CだけでやるつもりですすめるとPC Bは不要でした。

なお、Slackware のインストールではREADME を読んだり インストーラとの対話は全て英語になります。

インストール用DVD-R を作成

Slackware は新しいバージョンがリリースされたときはDVD用のiso イメージが公開されますが、細部が随時新しくなっているcurrent 版は自分でiso イメージを作成します。
Slackware の最新安定版は長く14.2 ですが64bit版current はリリース準備中の15.0β のようです。これを入れてみます。

準備作業はメインのWindows10 ではじめました。
ミラーサイトからslackware64-current をCygwin のwget で次のように丸ごとダウンロードしました。

wget -N --passive-ftp --timeout=180 -r ftp://ミラーサイトアドレス /.../slackware64-current

選択したミラーサイトによってはhttps やhttp でもダウンロード可能です。
合計8.15GB のダウンロードとなりました。

インストールするだけならsource/ は不要なので、 ここだけ除外するように工夫できれば4.45GB 分ダウンロードを削減できると後で気づきました。

作業をすすめるためにはREADME.TXT, README_UEFI.txt, isolinux/README.txt あたりが大切なので目を通します。

次にダウンロードしたファイル群を元にインストール用のiso ファイルを作成します。
そのやり方はisolinux/README.TXT に記載されてます。
それによると「xorriso」を用いてUEFI やUSBフラッシュからのブートにも対応したiso として作成するようです。

昔はSlackware のiso イメージは「genisoimage」 で作成してたのですが、変わったようです。
Cygwin には「xorriso」 がありません。試練です。
ここはWindows10 をさっさとあきらめ、作業場所をCentOS に切り替えました。

CentOS Linux8 にも「xorriso」は入っていませんでした。
yum install xorriso で簡単にインストールできました。

ダウンロードしたファイル群をCentOS 側に全てコピーして、そのディレクトリにcd してisolinux/README.txt に記載されていた次のコマンドラインを実行しました。

xorriso -as mkisofs \
  -iso-level 3 \
  -full-iso9660-filenames \
  -R -J -A "Slackware Install" \
  -hide-rr-moved \
  -v -d -N \
  -eltorito-boot isolinux/isolinux.bin \
  -eltorito-catalog isolinux/boot.cat \
  -no-emul-boot -boot-load-size 4 -boot-info-table \
  -isohybrid-mbr /usr/share/syslinux/isohdpfx.bin \
  -eltorito-alt-boot \
  -e isolinux/efiboot.img \
  -no-emul-boot -isohybrid-gpt-basdat \
  -m 'source' \
  -volid "SlackDVD" \
  -output /tmp/slackware-dvd.iso \
  .

でもエラーになりました。
/usr/share/syslinux/isohdpfx.bin がありません。

これはひどいですね。このファイル、Slackware には存在するんでしょうが、 そのSlackwareをインストールするためのiso を今作ろうとしているのです。
詰んでる?

でも/usr/share/syslinux/isohdpfx.bin はこれから作成するiso に入っているはずだと推理しました。
もし入ってないとすると、 このファイルはインストールされないのに無から湧いてくることになります。
鉄腕アトムを作ったのは誰か。

iso ファイルの元になるファイル群は目の前にあります。
絶対どこかに入っていると確信し、入ってそうなところを探し回ったところ、 ダウンロードしたファイル群の中に slackware64/a/syslinux-4.07-x86_64-4.txz があることを発見しました。
ファイル名にsyslinux とあることから、この中にありそうな予感がします。
txz圧縮形式を扱える「xz」で次のように解凍してみました。

syslinux-4.07-x86_64-4.txz を別の場所にコピーしてから、
xz -dv syslinux-4.07-x86_64-4.txz
tar xvf syslinux-4.07-x86_64-4.tar

xz で.txz ファイルを展開すると、もとのファイルが消えて.tar ファイルになります。
もとのファイルが消えるので、最初に.txz ファイルを別の場所にコピーしてました。
.tar ファイルはtar xvf で展開できます。
展開すると、やっぱりusr/share/syslinux/ にisohdpfx.bin が入っていました。 試練を1つ突破。

コマンドライン引数中のisohdpfx.bin の場所を修正し、xorriso でslackware-dvd.iso を作成できました。
この.iso ファイルをDVD-R に焼きます。
USBフラッシュメモリは大きさがまちまちで保管しにくく、 ペンで中身を書けるスペースも少ないですね。
サイズ的に収まるのなら私はDVD-Rに焼くのが好きです。

ここで勘違いして、CentOS でdd if=/tmp/slackware-dvd.iso of=/dev/sr0 bs=1M でDVD-R に焼けず、なんでだろうと思いながらscp でWindows10 にコピーしてそちらでDVD-R に焼きました。
この記事を書いてて今思い出しました。 Linux でDVD-R を焼くときは「dd」ではなく「growisofs」を使うのが正解でしたね。

でもとにかくインストール用のDVD-R を作成でき、準備ができました。
ターゲットPCでSlackware64 をインストールします。

Slackware64 15.0βをインストール

README_UEFI.txt を読みながら、DVD-R でPC を起動しました。
インストーラ起動中にキーボードレイアウトを選択でき、jp-106 を選択できました。

インストール作業用の規模の小さいLinux がDVD-R から起動しました。 root でパスワードなしでログインしました。
コマンドラインになっていて、インストーラを起動するにはsetup をキーインするのですが、その前にパーティションを手動で作成しておくとのこと。
gdisk -l /dev/sda とかcgdisk /dev/sda がエラーになります。 「/dev/sda」 を開くことができません。

dmesg | more」 でLinux起動処理のログを確認すると、「nvme0」 デバイスというものががセットアップされているようです。
NVMe SSD の場合は/dev/sda ではなく、/dev/nvme0n1 になるようです。
/dev/nvme0 はキャラクタデバイスで違うようです。

追加でLinux を入れることは最初から考えてたので、Windows11 を2T SSD に入れる時に約470G は空けておきました。
もし空きがない場合はWindows パーティションのリサイズが必要になります。
私はリサイズ不要です。

cgdisk /dev/nvme0n1 でfree space にサイズ32G ID:8200 で swap パーティションを作成しました。
443G の残りスペースを通常のext4 Linux パーティションとして作成しました。
write してyes を入力し、quit でプロンプトに戻りました。
setup」 を実行し、インストーラが起動しました。

Apple のIntel Mac の場合は重要な注意事項があるようです。
README_UEFI.txt やインストーラの英語メッセージをよく読み、UEFIメニューに Slackware を登録しないように注意しましょう。
登録するとIntel Mac のファームウェアが壊れて何も起動できなくなるそうです。


(README_UEFI.txt より引用)

If you are using an Apple Intel Mac, DO NOT TRY TO INSTALL A MENU ENTRY!
It would probably brick your firmware requiring Apple to service the machine to reflash the firmware.

30年近く改善されてきたSlackware のセットアップメニューでどんどんインストールをすすめていきました。
UEFIなのでLILOではなくELILO を入れるよう選択しました。
安定していてとくに迷うことはなく、無事にインストールが完了しました。

電源を入れるとデフォルトでSlackware が起動するようになりました。
起動時にキーボードの「F9」でブートメニューを表示し、「Windows Boot Manager」 を選択するとWindows11が起動します。

このPCでは、デフォルトはどちらかというとWindows11 起動にしたいです。
UEFI BIOSメニューのBoot タブで優先起動OSを変更することができました。

以上のように、セキュアブートを無効に戻したので、Windows11 とSlackware をデュアルブートにできました。


2021/11/03(水)

【ATOM】省電力マザーボード J4105NHU

TDP 10W の省電力型Celeron J4105 をファンレスでオンボード搭載したBIOSTAR 社 Mini-ITXマザーボード J4105NHU をAmazon で見かけました。
この製品の発売は2021年5月ですが、搭載されているパーツは古く2017 年ごろのスペックです。
対応メモリはDDR4 の2400MHz まで、M.2 スロットはNVMe PCIe2.0x2 で最大10Gbps になります。処理速度を求めて購入するものではありません。
でもTPMのバージョンやセキュアブート機能などWindows11 のハードウェア要件には対応しているとのことです。

この手のファンレス省電力マザボは流通量が少なく、 見かけたときにおさえておかないと欲しい時に手に入りません。
今年はPCを自作してなかったこともあり、とりあえず10月3日に注文しました。 13000円ぐらいでした。

在庫がないようで、配送完了予定日は10月24日(日)となりました。
時々注文履歴を確認しましたが一向に発送済みステータスに進まず、 とうとう10月24日になると到着予定日が12月6日になる旨の案内が来ました。
やれやれ、と思ってると10月30日(土)深夜0時ごろ突然発送済みステータスに なり同日午前8時ごろ自宅に配達されてきました。

秋葉原でSSDとメモリと光学ドライブは購入し、昔使ってたMini-ITX用小型ケースと 玄人志向の120W AC アダプタキットといった手持ちパーツと合わせて組み上げました。

Mother Board BIOSTAR J4105NHU(MiniITX フォームファクタ) Windows11対応(付属ドライバDVDはWin10用)
オンボードCPU Intel Celeron J4105([2017年 Gemini Lake] 14nm 4C4T 1,5G-2.4GHz TDP 10W 4M cache VT-x, VT-d SSE4.2)
Memory ADATA DDR4-3200 288pin 1.2V 8GBx2 合計16G
Graphics Intel CPU内蔵のUHD600(HDMI 1.4 4096x2160 30Hz)
NIC オンボード Realtek RTL8111H 1Gbps
Sound オンボードRealTek ALC887 7.1chコーデック
レガシーIO PS/2キーボードマウスコンボx1,RS-232Cヘッダx2, LPTヘッダx1,アナログVGA
SSD WESTERN DIGITAL BLUE SN550 2T(WDS200T2B0C M.2 NVMe PCIe 3.0x4)
Case Casetronic Travla C138B(2004年に購入)
電源 玄人志向 KRPW-AC120W(ACTIVE PFC ACアダプタ電源)
SATA Devices Pioneer BDR-TD05/WS(SATA 12.7mm BDXL 光学ドライブ)

図11/03-1 今回自作したPCの写真
図11/03-1 今回自作したPC

オンボードで搭載されているCeleron J4105 は第6世代ATOM のGoldmont Plus アーキテクチャのGemini Lake シリーズに属します。
最近はATOMと言わないようですが、素性はATOM なのです。ATOMは絶滅してません。
Windows11 はよくATOMのサポートを継続してくれたものです。
J4105 のようにJを冠するものはデスクトップ用でN4100 のようにNを冠する場合はノートPC用とのことです。
GPUは第9.5世代Intel HD Graphics でIntel Core のKaby Lake世代(第7世代) に相当するようです。

CPUの仕様、そしてそれを搭載しているマザーボードの仕様としては、メモリは最大 8GByte なのですが、8Gx2 で16GByteを認識できていて動作しています。
ノートPC用のメモリではなく、デスクトップPC用のメモリを2枚刺せます。
DDR4-2400 の4Gメモリって最近は店頭にありません。 DDR4-3200 8Gを2枚セットで購入し、これが2400MHz で動作してます。

購入したSSD、WD SN550 についてもNVMe PCIe 3.0x4 仕様ですが、マザボのM.2 がPCIe 2.0x2仕様なのでこのモードで10Gbps で動作しています。
M.2 SATA は最大6Gbps なので、それよりは少し高速です。 M.2 スロットに刺さるけどPCIe のバージョンが古いので動かない、 ということはありません。下位互換性があります。

マザーボード上にWiFi モジュール用のM.2 のパターンはあるのですが、 ソケットが実装されてないのでM.2 のWiFi を搭載することはできません。
外部TPMモジュールもパターンがあるだけでpin が出てなく、搭載できません。 TPMはビルトインのものを利用できます。

このケースには90W のACアダプタとDC-DC変換基板が付属していたのですが、 それは故障したので廃棄しました。10年前のはなしです。
玄人志向の120W ACアダプタとそのDC-DC変換基板に電源を交換してます。
DC-DC変換基板をケース内に固定できそうな場所がなく、 固い電源線で支える感じでケース中に浮かせてます。
ショートするとまずいので、危なそうなところはケース用のゴム足や木片を貼って 接触しないように工夫してます。

図11/03-2 ケース内に浮いているDC-DC変換基板
図11/03-2 ケース内に浮いているDC-DC変換基板
上の写真で、右側に浮いてる緑色の物がDC-DC変換基板です。
裏返しになっていて見えませんが、下側に半導体部品の放熱板があり、 下部にある配線と接触してます。


オンボードのCeleron J4105 はファンレスヒートシンクで今はケースのファンも 電源を接続していません。
起動してしばらく経って負荷がない時のCPU温度は次のように56度ぐらいです。


図11/03-3 無負荷時の温度状況
図11/03-3 無負荷時の温度状況

設置場所の気温は24.5度です。
WindowsUpdate などで負荷がかかると90度近くまであがります。
ケースファンは回すようにした方がよさそうです。
となると小型ケースなのでファンも小型高速回転のものですから、 静音性がなくなってしまいます。残念。

(2021/11/06 追記)
ケース側面に設置していた6cm ファンを回すようにしたところ、無負荷時にCPU(SoC)が43 度まで下がりました。

UEFI BIOSメニューを確認しましたが、 このマザーボードはシステムファンの回転を制御する機能がないようです。
温度に応じてファンを停止したり、回転数を上げ下げしてくれることはなく、 ファンが常に全開になるようです。
かなりうるさい状態です。

(2021/11/21 追記)
ケースファンの電圧を5Vに変更し、 静音化達成したことを2021年11月21日に掲載しました。

Windows11 をインストール

2021年10月5日にWindows11 正式版が公開されましたね。
Microsoft の公式サイト(https://www.microsoft.com/ja-jp/windows/windows-11) からWindows11 のiso イメージをダウンロードしました。
isoファイルのサイズが5Gあり、1層のDVDメディアは4.7Gまでなので書き込めません。
2層のメディアは手元になかったのでUSBフラッシュに書き込みました。

この記事の執筆時点ではWindows11 の新規インストール時にWindows7,8,10 のシリアルキーを使えるそうです。
キャンペーン期間(?) が終わるとこのような古いシリアルキーは通らなくなるかもしれません。

上記で作成したUSBフラッシュでWindows11 を新規インストールしようとしたところ、 「デバイスドライバがありません」とエラーになりマザーボード付属のDVDを入れても ドライバが見つからず、直接はインストールできませんでした。

仕方なく、まず最初にWindows10 Pro を入れ、その状態でUSBフラッシュでPCを起動し Windows11 にアップグレードしようとしました。
ところがまた同じ。 インストーラは起動しますが、インストール処理中にデバイスドライバがありません、 とエラーになりました。

この原因はUSBフラッシュだったのかもしれません。
Cygwin のdd でiso イメージをUSBフラッシュに焼いたのですが、 うまく焼けてなかったのかもしれないと思ってます。
dd で頭からUSBフラッシュに書き込めばよい素直なiso イメージと、 書き込むときになにか特別な対応が必要な面倒くさいiso イメージが存在するのでは、とうすうす感じています。

(2021/11/06 追記)
USBフラッシュから起動した場合はHDDのように見えるので、CD/DVD だけをターゲットに作成されたISO9660イメージを頭からUSB フラッシュに書き込んでもうまく起動できないそうです。

こじまみつひろさんの「 玩式草子─ソフトウェアとたわむれる日々 第93回 xorrisoとUEFIブート再び[その3] 」に参考になる情報が記載されています。

Windows Update の画面には「このPCでWindows11 を実行できます」と表示されますが、 「具体的なお届け時期は、準備の都合上、変動する可能性があります。」 ということでWindows Update からもまだアップグレードできません。

フリーソフトのファイラAs/R を用いてWindows11 のiso ファイルの中身をSSD 上で展開し、Windows10 を起動した状態でsetup.exe をダブルクリックして起動するとうまくWindows11 にアップグレードできました。
2日ほどはまりました。
(後で知りました。Windows11 のiso ファイルをダウンロードするのではなく、 MediaCreationToolWin11.exe で直接USBフラッシュに書き込むこともできたようです。 これをやるべきでした。)

Office2013 は動きました

Windows11 ではMS Office2013 はWindows11 で動かないと聞いていました。 でも大丈夫みたいで、やってみると動きました。

手順としては、Windows10 の状態でOffice2013をインストールし、SP1 をあてて最新のパッチもすべてあてておきました。
この状態でWindows11 にアップグレードしました。

私はMicrosoftアカウントではなくローカルアカウントを作成してWindows11 Pro を使ってます。
Microsoftアカウントでサインインするとウィジェットを使用できたり (ローカルアカウントではウィジェットを使用できません)、 組み込まれたTeamsでOffice の共同作業ができるらしく、Office2013 ではそういった新機能に対応しないといった制約はあるのだと思います。

HTA アプリも動きました

マイナーな機能ですが、個人的に気になってたHTA 形式アプリもWindows11 で動きました。

HTAはHTML Applicationのことでマイクロソフトの1つのソフトウェアアーキテクチャ です。
JavaScript を拡張したJScript, CSS, HTML を利用してWeb 開発の技術でローカルアプリケーションを作成できます。
HTAアプリケーションの拡張子は「.hta」です。 ダブルクリックするとmshta.exe が起動してファイルをセキュリティの制約なしで実行します。
JScript の機能でローカルファイルを読み書きしたり、exe プログラムを起動したりできるので、HTML GUI を持つちょっとしたツールを作成するのに会社で重宝しています。
HTAを実行するmshta.exe はInternetExplorer がベースになっています。 Windows11 ではIE11 がなくなるのでHTAは動かなくなるかも、と思ってました。
IE11 のエンジンやmshta.exe はまだ残っているのでしょう。

セキュアブートを無効に戻しても大丈夫

まだ検証中でこのPCに大切な仕事は任せてないので、危ない実験をしてみました。
Windows11 がセットアップ完了した状態で、UEFI BIOS メニューからセキュアブート機能を無効に設定変更しました。

結果。Windows11 は普通に起動しました。
起動後、セキュアブートが無効になっています、といった警告も特に現れません。

セキュアブートが有効になっていると、ブート機構が改竄されると検出できます。
無効になっていると改竄を検出できないだけで、 ブートは普通にできるということみたいです。

普通にWindows11 を利用するのであればセキュアブートは有効のままでいいですね。
Linux などの他OSも選択起動できるようにしたい場合は、 無効にできることも知っておくとよさそうです。

ベンチマーク、その他

AMA Soft さんが公開なさっているフリーのファイラ、As/R の 公式サイト(https://all.undo.jp/) にAs/R のWindows11 対応について興味深い知見が掲載されてました。
それによると、Windows11 は内部的にはWindows10 であり、レジストリ内にWindows11 という文字列はなく、内部バージョンは6.3 でこれはWindows10 と同じであるということです。
現在はこういった記述に打ち消し線が入っているので最新版のWindows11 では何か変化があったのかもしれません。

その他は、Windows11 は画面は美しいのですがいろいろ不便になってるインプレッションです。
タスクバーの右クリックメニューからタスクマネージャを起動できないとか。
Vista のようにならないことを願ってます。

このマザーボードは処理速度を求めるものではないのですが、 他と比較してどの程度の遅さなのかは把握しておきたく、 ベンチマークした結果を掲載しておきます。
ちょっと遅すぎる気もしてますが、Windows11 のチューニングがまだ完全でないのかもしれません。
CPUのクロックが1.5GHz で4core ということもお忘れなく。

図11/03-4 CrystalMark
図11/03-4 CrystalMark

テキストでエクスポートした詳細データです。 Windows10 と出てますが、Windows11 でベンチマークを実行しました。
SSDもスピード出てないですね。
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
CrystalMark 2004R7 [0.9.200.452] (C) 2001-2017 hiyohiyo
                                  Crystal Dew World [http://crystalmark.info/]
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

------------------------------------------------------------------------------
CrystalMark Result
------------------------------------------------------------------------------
   Display Mode : 2560 x 1440 32bit (ClearType)

    CrystalMark :  164719

[ ALU ]             44994
      Fibonacci :   18056
      Napierian :   10311
   Eratosthenes :    6074
      QuickSort :   10531
[ FPU ]             26895
        MikoFPU :    3209
     RandMeanSS :   12023
            FFT :    8139
     Mandelbrot :    3502
[ MEM ]             32645
           Read : 8222.80 MB/s (  8222)
          Write : 9490.01 MB/s (  9490)
     Read/Write : 7638.74 MB/s (  7638)
          Cache : 72733.53 MB/s (  7273)
[ HDD ]             43705
           Read :  586.33 MB/s (  8431)
          Write :  457.29 MB/s (  7786)
 RandomRead512K :  461.64 MB/s (  7808)
RandomWrite512K :  379.97 MB/s (  7399)
 RandomRead 64K :  207.16 MB/s (  6071)
RandomWrite 64K :  221.02 MB/s (  6210)
[ GDI ]              8525
           Text :    4041
         Square :     563
         Circle :    1674
         BitBlt :    2247
[ D2D ]              2396
   Sprite    10 :   81.15 FPS  (     8)
   Sprite   100 :   72.92 FPS  (    72)
   Sprite   500 :   49.90 FPS  (   249)
   Sprite  1000 :   39.54 FPS  (   395)
   Sprite  5000 :   15.86 FPS  (   793)
   Sprite 10000 :    8.79 FPS  (   879)
[ OGL ]              5559
  Scene 1 Score :    3523
  Lines (x1000) : ( 520032)
  Scene 1  CPUs : (     64)
  Scene 2 Score :    2036
Polygons(x1000) : ( 100282)
  Scene 2  CPUs : (     64)

------------------------------------------------------------------------------
System Information
------------------------------------------------------------------------------
             OS : Windows 10   [10.0 Build 22000]
   Display Mode : 2560 x 1440 32bit 59Hz
         Memory : 16194 MB
        DirectX : 12.0
------------------------------------------------------------------------------
CPU
------------------------------------------------------------------------------
       CPU Name : Intel 
  Vendor String : GenuineIntel
    Name String : Intel(R) Celeron(R) J4105 CPU @ 1.50GHz
       CPU Type : Original OEM processor
Number(Logical) : 4
         Family : 6
          Model : A
       Stepping : 1
        Feature : MMX SSE SSE2 SSE3 SSSE3 SSE4.1 SSE4.2 XD VT Intel 64
          Clock : 1497.59 MHz
      Data Rate :    QDR
------------------------------------------------------------------------------
Device
------------------------------------------------------------------------------
        ChipSet : Intel Unknown
          North : Intel Unknown
          South : Intel Unknown
 IDE Controller : 
------------------------------------------------------------------------------
Graphics
------------------------------------------------------------------------------
          Video : Intel Unknown
  Video Product : 
   Video Vendor : 
     Video Chip : 
      Video RAM : 
 Driver Version : 
    Driver Date : 
------------------------------------------------------------------------------
HDD
------------------------------------------------------------------------------
Type Size    Model                                  ( Buffer Mode )     
------------------------------------------------------------------------------
BIOS
------------------------------------------------------------------------------
         Vendor : 
        Caption : 
        Version : 
           Date : 
SM BIOS Caption : 
SM BIOS Version : 
------------------------------------------------------------------------------
Mother
------------------------------------------------------------------------------
         Vendor : 
        Product : 
        Version : 
------------------------------------------------------------------------------
Computer System
------------------------------------------------------------------------------
         Vendor : 
        Product : 


SSDはあらためてCrystalDiskMark で計測してみました。
図11/03-5 CrystalDiskMark
図11/03-5 CrystalDiskMark
マザボのM.2 がPCIe 2.0x2レーンに制限され10Gbps になるのでこんなものでしょうか。


2021/08/01(日)

/usr/bin/dialog

Windows10(2020年09月版)でCygwin64 を利用させてもらってます。

/usr/bin/dialog というコマンドがあることを知りました。
シェルスクリプトの中で

#!/bin/bash dialog --title "Yes/No ダイアログサンプル" --yesno "このまま続行しますか?" 5 40 result=$? if [ "$result" == "0" ]; then echo "Yes が選択されました" else echo "No が選択されました" fi
のように呼び出し、Windows のコマンドプロンプトで「bash スクリプト名」 のように実行すると図08/01-1 のような画面になります。
図08/01-1 dialog コマンド実行結果(正常)
図08/01-1 dialog コマンド実行結果(正常)
文字端末のエスケープシーケンスを使ってるんだと思いますが、 GUIもどきのポップアップダイアログを文字や罫線で表示してくれます。
「はい」「いいえ」はキーボードの矢印キーで選択を変更できます。
「はい」「いいえ」をマウスでクリックしても正しく選択されます。

環境変数TERMにms-terminal を設定

コマンドプロンプトで実行する場合は、環境変数TERMms-terminal を設定することで最終的に上記のようにdialog がうまく動きました。
この設定をするまで、罫線が文字化けしてうまく表示できませんでした。

このms-terminalという設定値、私はこれを今回初めて知りました。
端末設定のデータベースであるterminfo がCygwin64 のベースディレクトリ配下のusr/share/terminfo/ にあり、それをながめながら試行錯誤していて発見しました。
この設定値にしておくと、コマンドプロンプトの中でCygwin のvim もちゃんと動くようです。

dialog でユーザに優しいダイアログを利用できますが、Cygwin を入れてるのは自分の開発環境だけです。
環境変数TERMが適切に設定されてないとおかしくなるという注意点もあり、 人に使ってもらうためのプロダクトには活用できなさそうです。
TERMの設定値としてのms-terminal が他の方に参考になるかもしれないと思い、情報共有させてもらいます。


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