2026年01月08日

趣味と生活の雑記帳(2026)




もとは1997年からはじめた身の回りのコンピュータの日記コーナーでした。
ネタがなくなってきたのでスコープを広げ、 私の趣味や生活について幅広く好き勝手に投稿しています。

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2026/01/08(木)

Conclusion C-FT100

図1/01-08 C-FT100(下の箱)
図1/01-08 C-FT100(下の箱)

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  1. はじめに:単体FMチューナを買っておきたい
  2. Conclusion と港北ネットワークサービス
  3. デジタルチューナ
  4. C-FT100について
  5. 設置環境
  6. [オプション] MPD-1
  7. [オプション] MPC
  8. 音質
  9. SCMSの確認
  10. まとめ

(1) はじめに:単体FMチューナを買っておきたい

レコードプレーヤがはやる一方で単体オーディオ機器としてのFMチューナ、 最近ほとんど販売されておらず寂しいかぎりです。
昔はKENWOOD,SONY,YAMAHA,DENON など、 多くのメーカーが様々な機種を販売していました。
最近はアンプにおまけでチューナ機能がついていたり、
TEACのCDプレーヤ にやはりおまけでチューナ機能がついていたりして、 まったく受信できないということはありません。
でもいつまでもそれで妥協していたくない、、、

購入可能な単体FMチューナの選択肢として、

(A)アキュフェーズの超高級機T-1300 (495,000円)
(B)業務用音響機器メーカーTOA のDT-940 (68,000円)
があります。これらは大手販売店や通販で購入できるようです。

(A) T-1300はきっとよいモノなのでしょうが、 ここまで高価なチューナを買いたいわけではありません。
(B) DT-940 はAC アダプタ電源だったりするので内部回路も汎用モジュール(チューナーパック) ベースかもしれず、おまけチューナと同等かもしれません。

さらに調べていると、オーディオショップでは販売されてませんが、

(C) Conclusion社 のデジタル方式FMチューナC-FT100(160,000円から)
があるようです。これ、なんか異彩を放っています。
(C) C-FT100 も安くはありませんが(A) T-1300とは違った特別な何かを感じます。

買える時に買っておかないと単体FM チューナはもう絶滅しそうなので(C) C-FT100 を購入してみました。
オプションのMPC(マルチパスキャンセラー)機能を搭載したモデル(210,000円) を選択し、ナゾの専用周辺機器MPD-1(13,200円) もいっしょに注文しました。
Amazon のマーケットプレイスにてConclusion 社から購入できました。

(2) Conclusion と港北ネットワークサービス

上位モデルC-FT1000 の記事を見たことがあり、こちらは知っていました。 でもその下位モデルC-FT100 があって現在購入できると知ったとき、Conclusion ブランド製品を販売していた港北ネットワークサービスは倒産したんじゃないの? と自分の目を疑いました。

港北ネットワークサービス株式会社はデジタルFMチューナのほかに、 有料衛星デジタルラジオ「ミュージックバード」(2023年サービス終了)のチューナなどを販売していました。 この会社は確かに2023年6月ごろに廃業しました
でもそのオーディオ機器部門が新会社Conclusion として設立され、 C-FTシリーズ等の製造・販売・サポートを引き継いでいたようです。

(3) デジタルチューナ

林輝彦さんという方が、FPGAを用いてデジタル復調でFM 放送を受信するチューナを設計・作成し、 基板キットを次のサイトで販売なさっています。
FPGA(Field Programmable Gate Array)によるデジタル方式FMステレオ・チューナ
このFMチューナキットについてはFPGA FM Stereo Tuner にも詳しい情報があります。
C-FT100 より先に開発されたC-FT1000とC-FT500 の設計はこの林さんが監修なさっていたそうです。

(T-1300もそうですが)このC-FT シリーズはFM電波のアナログ信号をAD 変換して、 デジタルデータ化した生の電波信号をデジタル処理してステレオ音声に変換(復調) するデジタル方式のチューナなのです。
そうして変換出力されたデジタル音声をSPDIFやAES/EBU から出力できます。 それを好きなDAC機器に入力してFM 放送を聞くことができます。

(4) C-FT100について

<取説>

  1. C-FT100 本体の取説冊子が付属します。PDFファイルは公開されてないようです。
    取説をスキャンした画像を次のURLで参照できます。
    Concluseion C-FT100 取扱説明書
  2. MPD-1 も購入したのでそちらの取説冊子も付属しました。
    128x160 の液晶画面に表示される各種情報の見方が解説されています。
    こちらもPDFファイルは公開されてないようです。
    取説をスキャンした画像を次のURLで参照できます。
    Conclusion マルチパスディスプレイMPD-1 取扱説明書

<外観>

  1. 給電はAC100V です。ACアダプタ方式ではありません。
  2. フロントパネルは5mm厚のアルミ板です。
  3. 脚は3脚です。
  4. ファンレスで動作音は静かです。
  5. 受信周波数を変更するときリレー音がします。これは違和感があります。
  6. 通気口のようなスロットはなく、密閉筐体です。発熱はありません。
  7. アンテナ端子は1系統でF型コネクタです。
  8. COAXIAL, AES/EBU, アナログRCA端子は金メッキ仕様です。
  9. ヘッドホン端子はありません。
  10. 本体右側底面にオプションのMPD-1 を接続するためのフラットケーブル接続端子があります。
    本機の上に別の機器を積んでいると、普段はMPD-1をはずしておき、 必要なときに取り付けるのが難しいです。
    それとこのフラットケーブル、ノイズばらまかないでしょうか。
  11. MPD-1の液晶表示の明るさを調整する機能はありません。
  12. オプションのMPC機能は、その有無を本体外観からは識別できません。
  13. 電源Off のときの赤色LEDが宝石のようにキラキラ輝いて美しいです。 これなんですか?

<スペック>

  1. デジタル出力はCOAXIAL, 光, AES/EBU の3系統あります。
  2. 44.1kHz,48kHz, 96kHz, 192kHz を選択できます。量子化ビット数は24bit固定です。
  3. TI社のDACチップを搭載していてアナログRCA出力もあります。
  4. 受信可能な周波数は76MHzから95MHz までです。

<表示機能>

  1. 公式サイトの写真 では本体表示パネルの文字色は青なのですが、 購入した個体の文字色はゴールドっぽい黄色です。
    ドットが大きめで他の機器と比べて文字が太く少し離れていても表示を見やすいです。
  2. 受信シグナル強度はdB 値で表示されます。
  3. マルチパスによる信号と本来の信号の比(DU値)をdB値で表示できます。 この数値を見ることでマルチパスの影響有無を定量的に認識できます。
  4. オプションのMPC機能を使うとマルチパス信号がキャンセルされてDU 値が改善する様子を目で観測できます。
  5. プリセットチャンネルに登録した周波数に対して、 放送局名などの文字を登録できます。
    アルファベット大小文字、カタカナ、記号を利用できます。 漢字は使用できません。
  6. 「DISPLAY」ボタンで本体の文字表示OLED を消灯することができます。 この時、オプション液晶MPD-1 の表示は消灯されず表示されたままとなります。

<操作系>

  1. 放送局を記憶するプリセットチャンネルは10チャンネル分あります。
  2. カードタイプの薄型リモコンが付属します。
    図2/01-08 付属リモコン
    図2/01-08 付属リモコン
  3. 本体フロントパネルのボタンで全ての機能を利用できます。 リモコンが故障すると特定機能が利用できなくなるような心配はありません。
  4. 本体のボタン類は高級感がありません。 押しても反応しないことがあり効きが今一つです。

<機能>

  1. タイマー録音で利用できるように、 電源供給が開始された時に自動で選局するチャンネルを指定できる機能があります。
  2. レベル可変の自動アッテネータがあり、 アンテナからの信号レベルが大きすぎる場合は適切に調整してくれます。
    (私の家では動作したことはありません)
  3. 受信周波数の選択は0.1MHz ごとの手動選局か事前に登録したプリセットチャンネルによる選局です。
  4. AM放送の移行先である、90MHz から95MHz の範囲のFM補完放送を受信できます。
  5. プリセットチャンネルの登録情報は不揮発メモリに記憶されます。

<ない機能>

  1. 指定時刻に自力で自動起動したり、 指定時間経過後に自動で停止するタイマー機能はありません。
  2. 自動サーチ選局や、サーチした放送局を自動でプリセット登録する機能はありません。
  3. 居住地域をセットするとプリセットを自動セットアップする機能はありません。
  4. AM放送の受信機能はありません。
  5. ファームウェアを更新する機能はなさそうです。
  6. ファームウェアのバージョンを表示する機能もなさそうです。
  7. 本体の文字表示OLED の明るさを調整することはできません。
  8. MPD-1 を接続しているときに、MPD-1の液晶表示をOff にすることはできません。

<その他>

  1. 国内で生産されていて、Made in Japan です。
  2. 電源を入れて、 最後にセットしていた周波数で受信が開始するまで3秒か4秒ぐらいです。 内部OS起動の待ち時間のようなものはほぼありません。
  3. プリセットチャンネルを切り替えると数秒で切り替わります。十分早いです。
  4. 1年間の保証です。
  5. 購入後の問い合わせ手段は電子メールのみで、電話窓口はありません。

(5) 設置環境

日本アンテナの1素子アンテナ(AF-1-SP)を、放送局側に面した部屋に屋内設置し、 本機のある書斎まで同軸ケーブルで接続しています。
マンション中層階で外壁は鉄筋コンクリートです。
川崎市南部で東京都にある送信所からの電波は比較的強いロケーションです。

信号レベルは実用レベルが60dB 以上で完全な受信のためには80dB が望ましいと取説にあります。
私の環境ではTOKYO FM(80.0MHz)が約64dB でJ-Wave(81.3MHz)やInterFM(89.7MHz) など高い周波数では50dB 前後になってしまいます。
送信アンテナまで遠くはないのですが、 アンテナを屋外に設置できないことがネックになってます。
書斎で同軸ケーブルを2分配していて、分配をやめると改善する余地はあります。

機器接続は、

C-FT100(本機)
 |
 |(AES/EBU)
 ↓
TEAC SD-550HR(レコーダ)
 |
 |(COAXIAL)
 ↓
TEAC NT-505(DAC)
 |
 |(RCA)
 ↓
ONKYO R-N855(アンプ)
 |
 |(SPケーブル)
 ↓
DALI OBERON1(スピーカ)
となってます。

(6) [オプション] MPD-1

オプションのMPD-1 は128x160ドットの小型カラーTFT液晶モジュールです。
表示信号といっしょに電源も本体から供給されます。
MPCの状態(INITIALIZE/UPDATING/HOLD),信号レベル(dB),受信周波数(MHz),DU値(dB), IM値(%)とマルチパス混信による振幅状況、DM値の時間偏移、 IM値の時間偏移などを重ねてグラフィカルに表示できます。

DU値は受信したい目的波とマルチパスによる混信波の強さの比をdB であらわしたものです。30dB 以上が望ましく、MPC機能で改善可能です。
IM値は混変調ひずみ率です。0.1%以下が望ましい値とされています。 これもMPC機能で改善可能です。

図3/01-08 MPD-1
図3/01-08 MPD-1

MPD-1 画面の見方の詳細は取扱説明書を参照してもらうとよいでしょう。
Conclusion マルチパスディスプレイMPD-1 取扱説明書

MPD-1 の液晶の視野角は左右それぞれ45度ぐらいです。 それより斜めからは液晶バックパネルの光を見る感じになり、残念感があります。
なお、本体の文字表示はOLEDで自己発光なのでMPD-1のようなことはありません。

時々液晶画面全体が明るくフラッシュすることがあります。 よくわかりませんが、映像信号にノイズが乗るのでしょうか。

MPD-1 は受信に必要なものではありません。 受信周波数、信号レベル、DU値は本体の文字表示OLED にも表示されます(図4)。

図4/01-08 本体のOLED
図4/01-08 本体のOLED
MPD-1 はマルチパスの影響をIM値でもみたい場合や、 MPC機能の効き具合をビジュアルに見て楽しみたい場合に有効でユニークなオプションです。

(7) [オプション] MPC

MPC はマルチパスキャンセラで、 本機では有償オプションで追加できる機能です。 C-FTシリーズの大きな特徴となってます。
障害物に反射して少し遅れて届くマルチパス波による混信を、 デジタル処理で抑制してくれます。

MPC の追加は本体をConclusion 社へセンドバックしてハードウェアを改修してもらう必要があります。
私は最初からMPCオプションを搭載したモデルを購入しました。
マルチパスの抑制については良好な音質で楽しむ目安はDU値で30dB 以上が必要と取説にあります。
オプションの液晶ディスプレイMPD-1 を接続してると、 数分かけてMPCがだんだん効いてくる様子をDU値やIM 値の時間偏移グラフで可視化してくれます。

私の環境でTOKYO FM は日中でもMPC On でDU値が18dB→40dB に改善でき、 とても良好です。
ニッポン放送(93.0MHz)は、日中はDU値が9dB程度までしか改善されず、 IM値(歪率)は1.4%と状況はよくありません。
夜は信号レベルが51dBまであがり、 DU値が34dB IM値が0.5%程度まで改善されます。夜は快適です。
測定器のように数値で状況を定量的に把握できるのが素敵です。

(8) 音質

デジタル復調による正確な処理とアナログ復調で生じる内部劣化がないことに加え、 MPC による補正もあり、これまでの機器よりもよい音で受信できるようになりました。
トークではよくわかりませんが、曲がかかっているときに違いがわかります。

radiko で聞くと音は今一つですがノイズがなくてSTEREO感もすごいじゃないですか。 本機ではノイズやSTEREO感はRadiko のような良好な感じで、 音自体は高級FMチューナで聞くような(知らんけど)豊かな音質で受信できます。
そもそもFM放送の音質限界があるので感動するほどよい音ではありませんが、 おまけチューナとは別格の音であることははっきり聞き取れます。
デジタル方式FMチューナはオカルトオーディオではなく、 効果を伴うソリューションのようです。

(9) SCMSの確認

本機は音声をSPDIF出力できます。
BEHRINGER SRC2496 で本機のSPDIF出力信号(COAXIAL)のSCMS フラグセットを確認してみました。 確認結果は次の通りです。
フラグ意味
COPYON著作権保護データである
ORIGONオリジナルデータである

図5/01-08 SCMSフラグを確認
図5/01-08 SCMSフラグを確認
この結果から、SCMS制御を受けるデジタル録音機(つまりDATやMD)で、 本機のSPDIF信号は1世代だけ録音できます。孫Copy は作れません。
そんなバカな。なぜに1世代規制?!
もちろんAES/EBUやアナログRCAから録音するとSCMSの影響は受けません。
ちなみに本機からAES/EBU とCOAXIAL は同時出力できていました。

(10) まとめ

安くはないオーディオ機器を買い増すとき、 もし音の違いがわからなかったらどうしようといつも不安があります。
ですが今回も聞き取れるレベルの違いを実感できました。

MPD-1 で受信状況を可視化できることもギークな体験です。
シグナルレベル、DU値、IM値を数値で見れ、 時間変化をグラフで見れるのが理系人間にはたまりません。
よくこんな狂った製品を世に出してくれたものです(賞賛)。

デジタル処理で得た音声をデジタルのまま出力できるので、 それを無劣化でデジタル録音できることもVery Good です。
TEAC SD-550HR で録音できています。

アンプを買い替えるときにFM チューナを内蔵しない機器も選択可能になったので自由度も広がりました。


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