2026年01月08日
もとは1997年からはじめた身の回りのコンピュータの日記コーナーでした。
ネタがなくなってきたのでスコープを広げ、
私の趣味や生活について幅広く好き勝手に投稿しています。
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レコードプレーヤがはやる一方で単体オーディオ機器としてのFMチューナ、
最近ほとんど販売されておらず寂しいかぎりです。
昔はKENWOOD,SONY,YAMAHA,DENON など、
多くのメーカーが様々な機種を販売していました。
最近はアンプにおまけでチューナ機能がついていたり、
TEACのCDプレーヤ
にやはりおまけでチューナ機能がついていたりして、
まったく受信できないということはありません。
でもいつまでもそれで妥協していたくない、、、
購入可能な単体FMチューナの選択肢として、
(A) T-1300はきっとよいモノなのでしょうが、
ここまで高価なチューナを買いたいわけではありません。
(B) DT-940 はAC
アダプタ電源だったりするので内部回路も汎用モジュール(チューナーパック)
ベースかもしれず、おまけチューナと同等かもしれません。
さらに調べていると、オーディオショップでは販売されてませんが、
買える時に買っておかないと単体FM
チューナはもう絶滅しそうなので(C) C-FT100 を購入してみました。
オプションのMPC(マルチパスキャンセラー)機能を搭載したモデル(210,000円)
を選択し、ナゾの専用周辺機器MPD-1(13,200円)
もいっしょに注文しました。
Amazon のマーケットプレイスにてConclusion 社から購入できました。
上位モデルC-FT1000 の記事を見たことがあり、こちらは知っていました。 でもその下位モデルC-FT100 があって現在購入できると知ったとき、Conclusion ブランド製品を販売していた港北ネットワークサービスは倒産したんじゃないの? と自分の目を疑いました。
港北ネットワークサービス株式会社はデジタルFMチューナのほかに、
有料衛星デジタルラジオ「ミュージックバード」(2023年サービス終了)のチューナなどを販売していました。
この会社は確かに2023年6月ごろに廃業しました。
でもそのオーディオ機器部門が新会社Conclusion として設立され、
C-FTシリーズ等の製造・販売・サポートを引き継いでいたようです。
林輝彦さんという方が、FPGAを用いてデジタル復調でFM
放送を受信するチューナを設計・作成し、
基板キットを次のサイトで販売なさっています。
FPGA(Field Programmable Gate Array)によるデジタル方式FMステレオ・チューナ
このFMチューナキットについてはFPGA FM Stereo Tuner
にも詳しい情報があります。
C-FT100 より先に開発されたC-FT1000とC-FT500
の設計はこの林さんが監修なさっていたそうです。
(T-1300もそうですが)このC-FT シリーズはFM電波のアナログ信号をAD 変換して、
デジタルデータ化した生の電波信号をデジタル処理してステレオ音声に変換(復調)
するデジタル方式のチューナなのです。
そうして変換出力されたデジタル音声をSPDIFやAES/EBU から出力できます。
それを好きなDAC機器に入力してFM 放送を聞くことができます。
日本アンテナの1素子アンテナ(AF-1-SP)を、放送局側に面した部屋に屋内設置し、
本機のある書斎まで同軸ケーブルで接続しています。
マンション中層階で外壁は鉄筋コンクリートです。
川崎市南部で東京都にある送信所からの電波は比較的強いロケーションです。
信号レベルは実用レベルが60dB 以上で完全な受信のためには80dB
が望ましいと取説にあります。
私の環境ではTOKYO FM(80.0MHz)が約64dB でJ-Wave(81.3MHz)やInterFM(89.7MHz)
など高い周波数では50dB 前後になってしまいます。
送信アンテナまで遠くはないのですが、
アンテナを屋外に設置できないことがネックになってます。
書斎で同軸ケーブルを2分配していて、分配をやめると改善する余地はあります。
機器接続は、
C-FT100(本機) | |(AES/EBU) ↓ TEAC SD-550HR(レコーダ) | |(COAXIAL) ↓ TEAC NT-505(DAC) | |(RCA) ↓ ONKYO R-N855(アンプ) | |(SPケーブル) ↓ DALI OBERON1(スピーカ)となってます。
オプションのMPD-1 は128x160ドットの小型カラーTFT液晶モジュールです。
表示信号といっしょに電源も本体から供給されます。
MPCの状態(INITIALIZE/UPDATING/HOLD),信号レベル(dB),受信周波数(MHz),DU値(dB),
IM値(%)とマルチパス混信による振幅状況、DM値の時間偏移、
IM値の時間偏移などを重ねてグラフィカルに表示できます。
DU値は受信したい目的波とマルチパスによる混信波の強さの比をdB
であらわしたものです。30dB 以上が望ましく、MPC機能で改善可能です。
IM値は混変調ひずみ率です。0.1%以下が望ましい値とされています。
これもMPC機能で改善可能です。
MPD-1 画面の見方の詳細は取扱説明書を参照してもらうとよいでしょう。
Conclusion マルチパスディスプレイMPD-1 取扱説明書
MPD-1 の液晶の視野角は左右それぞれ45度ぐらいです。
それより斜めからは液晶バックパネルの光を見る感じになり、残念感があります。
なお、本体の文字表示はOLEDで自己発光なのでMPD-1のようなことはありません。
時々液晶画面全体が明るくフラッシュすることがあります。 よくわかりませんが、映像信号にノイズが乗るのでしょうか。
MPD-1 は受信に必要なものではありません。
受信周波数、信号レベル、DU値は本体の文字表示OLED にも表示されます(図4)。
MPC はマルチパスキャンセラで、
本機では有償オプションで追加できる機能です。
C-FTシリーズの大きな特徴となってます。
障害物に反射して少し遅れて届くマルチパス波による混信を、
デジタル処理で抑制してくれます。
MPC の追加は本体をConclusion
社へセンドバックしてハードウェアを改修してもらう必要があります。
私は最初からMPCオプションを搭載したモデルを購入しました。
マルチパスの抑制については良好な音質で楽しむ目安はDU値で30dB
以上が必要と取説にあります。
オプションの液晶ディスプレイMPD-1 を接続してると、
数分かけてMPCがだんだん効いてくる様子をDU値やIM
値の時間偏移グラフで可視化してくれます。
私の環境でTOKYO FM は日中でもMPC On でDU値が18dB→40dB に改善でき、
とても良好です。
ニッポン放送(93.0MHz)は、日中はDU値が9dB程度までしか改善されず、
IM値(歪率)は1.4%と状況はよくありません。
夜は信号レベルが51dBまであがり、
DU値が34dB IM値が0.5%程度まで改善されます。夜は快適です。
測定器のように数値で状況を定量的に把握できるのが素敵です。
デジタル復調による正確な処理とアナログ復調で生じる内部劣化がないことに加え、
MPC による補正もあり、これまでの機器よりもよい音で受信できるようになりました。
トークではよくわかりませんが、曲がかかっているときに違いがわかります。
radiko で聞くと音は今一つですがノイズがなくてSTEREO感もすごいじゃないですか。
本機ではノイズやSTEREO感はRadiko のような良好な感じで、
音自体は高級FMチューナで聞くような(知らんけど)豊かな音質で受信できます。
そもそもFM放送の音質限界があるので感動するほどよい音ではありませんが、
おまけチューナとは別格の音であることははっきり聞き取れます。
デジタル方式FMチューナはオカルトオーディオではなく、
効果を伴うソリューションのようです。
本機は音声をSPDIF出力できます。
BEHRINGER SRC2496
で本機のSPDIF出力信号(COAXIAL)のSCMS フラグセットを確認してみました。
確認結果は次の通りです。
| フラグ | 値 | 意味 |
|---|---|---|
| COPY | ON | 著作権保護データである |
| ORIG | ON | オリジナルデータである |
安くはないオーディオ機器を買い増すとき、
もし音の違いがわからなかったらどうしようといつも不安があります。
ですが今回も聞き取れるレベルの違いを実感できました。
MPD-1 で受信状況を可視化できることもギークな体験です。
シグナルレベル、DU値、IM値を数値で見れ、
時間変化をグラフで見れるのが理系人間にはたまりません。
よくこんな狂った製品を世に出してくれたものです(賞賛)。
デジタル処理で得た音声をデジタルのまま出力できるので、
それを無劣化でデジタル録音できることもVery Good です。
TEAC SD-550HR で録音できています。
アンプを買い替えるときにFM チューナを内蔵しない機器も選択可能になったので自由度も広がりました。